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ステークホルダー・ダイアログ(詳報)

「国連WFPコーポレートプログラム」のパートナー企業として

カネカでは、立場や意見の異なるもの同士が、相互理解を深め、問題意識を共有しながらコラボレーションを行うことを目的に、ステークホルダー・ダイアログを開催しています。
2016年2月26日、「国連WFP(※1)コーポレートプログラム」の最初のパートナーとして、国連WFP協会(国際連合世界食糧計画WFP協会)とのダイアログを行いました。

※1 国連WFP:国連機関「WFP国連世界食糧計画」と、それを支援する認定NPO法人「国連WFP協会」という2つの団体の総称のこと。


2016年2月26日 国連WFP協会にて

出席者

鈴木邦夫様特定非営利活動法人
国際連合世界食糧計画
WFP協会
事務局長
鈴木邦夫様

小寺祐二様特定非営利活動法人
国際連合世界食糧計画
WFP協会 事業部
ゼネラルマネジャー
小寺祐二様

丸藤峰俊株式会社カネカ
執行役員
CSR推進部長
CSR委員会事務局長
丸藤峰俊

近藤清隆株式会社カネカ
CSR委員会事務局
幹部職
近藤清隆

藤井美和株式会社カネカ
CSR委員会事務局
主任
藤井美和

社会的課題の解決には、長い年月がかかります。
継続的に支援をいただくことが必要です。
(国連WFP協会 鈴木邦夫様)

●「国連WFP(World Food Programme)コーポレートプログラム」を開始した経緯についてお聞かせください。

小寺様:
「国連WFPコーポレートプログラム」は、企業と国連WFPがパートナーシップを結び、3年間にわたって継続的に支援をいただく制度です。従来も企業からの支援をいただいていましたが、継続的な支援をいただくことは難しかったのです。国連WFPは、アフリカをはじめさまざまな地域で、飢餓のない世界を目指して活動していますが、単年で終わるプログラムはほとんどありません。継続的に支援いただくことで、現地で活動している人々も安心して活動を続けることができるのです。

継続的に市場を拡大していくには、
くらしが豊かになることが前提となります。
(カネカ 丸藤峰俊)
カネカは、長期的な視点で
地域の発展にコミットされています。
(国連WFP協会 鈴木邦夫様)

●カネカは、2013年から2015年までシエラレオネの学校給食を支援し、さらに2016年からも3年間の支援を行っていきます。支援を開始するきっかけは何でしたか。

丸藤:
カネカは、30年以上、アフリカでカネカロン(ウィッグ)の事業を展開しており、シエラレオネ、ナイジェリア、ガーナといったサブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカ)の国々では、ブランドとして高い評価をいただいています。私たちは、今後も、アフリカでの事業を継続的に拡大していきたいと考えています。そのためには、アフリカの国々の生活水準が向上することが前提となります。将来を担う子どもたちが学校へ行って勉強し、仕事をすることで、国が発展します。それに幾分でも貢献できるならば、アフリカの方々にとっても喜ばしいことでしょうし、市場の拡大につながることはカネカにとっても喜ばしいことです。そこで「国連WFPコーポレートプログラム」に参加し、学校給食を支援することにしました。こういったことは、1年だけでは効果がないと考え、3年間、シエラレオネの学校給食の支援を行うことにしました。
小寺様:
教育は、国が発展するもとになるものです。家庭が貧しいと、給食費も出せないのですが、学校に行ってご飯を食べられるのなら、親御さんたちも子どもを学校に行かせるようになります。また、女子は家庭の労働の担い手になるので、女子の出席率が低いことも課題でした。そこで学校給食だけでなく、一定の出席率に達した女子は、家庭に食糧を持って帰ることができるという施策も実施しています。これによって女子の就学率が著しく上がり、男女同じくらいになりました。学校へ行けば、勉強をして、知識が身に付き、将来の夢を持てるようになります。夢を持つことで、子どもは成長します。そういう子どもをたくさん育てたいという想いで、長年続けている活動です。
丸藤:
カネカはB to B(企業間ビジネス)のビジネスをしていますが、B to Bの先にはC(顧客)があります。私たちは、世の中が変化していくなかで、Cの動きを常に意識しながら仕事をしていかなくてはならないと思っています。私たちが事業活動を行っている地域の消費者が、何を願い、どのようなニーズを持っているかを知るためにも、こういった幅広い活動をしていくことが重要だと思います。
鈴木様:
この地域でのビジネスは1年で終わりということではありませんから、カネカは、長期的な視点で地域の発展にコミットされています。私たちも、学校給食を通して、長期的な視点で社会を良くしようとしているので、双方のニーズが一致していると思います。
近藤:
「国連WFPコーポレートプログラム」以外にも、2014年のエボラ出血熱緊急支援や、国連WFPのエッセイコンテストを支援させていただきました。また同年、弊社のイベントに国連WFPの日本大使であり、弊社のイメージキャラクターである知花くららさんにお越しいただき、社員やその家族を招いて、講演会や募金活動を行いました。今後、注力していきたいのは、社外のステークホルダーの方々に、カネカに対する理解を深めていただくことだと考えています。

国連WFPの究極の目的は、
世界から飢餓がなくなり、国連WFPがなくなることです。
(国連WFP協会 鈴木邦夫様)

●寄付を集める立場として、国連WFPは、どのようなことをアピールしていきますか。

小寺様:
国連WFPはまだまだ認知度が低く、食糧支援や緊急支援を行っているということを発信していく必要があります。また、皆さんからご支援いただいたものは、間違いなく届けることができることもアピールポイントです。国連WFPは、災害時には48時間以内に現地入りして、食糧等の支援物資を届けることを目標に活動しています。
鈴木様:
国連の組織には役割分担があります。例えば、震災が起きた時にはUNICEF(※2)も動きますし、私たち国連WFPも動きます。難民対策であればUNHCR(※3)が動きます。私たちは、輸送・通信の役割を担っており、まず私たちWFPが乗り込んでベースを作り、通信手段を確保し、状況を把握し、必要な食糧、薬、医師等の情報を発信します。
小寺様:
必要な物資等を確かに届けるための手段として、飛行機70機、トラック5,000台、船20艘を持っており、世界中のどこかでそれらが動いていますが、本当は悲しいことなのです。WFPが動かなくてすめば、世界中の誰もが食糧に困らない世界になるからです。
鈴木様:
国連WFPの究極の目的は、国連WFPがなくなることですから。

※2 UNICEF:国連児童基金

※3 UNHCR:国連難民高等弁務官事務所

子どもたちに、
世界の食糧事情や飢餓事情を教えてもらいたい。
(国連WFP協会 小寺祐二様)

●企業に、どのようなことを求めますか。

小寺様:
先ほど近藤さんからもお話がありましたが、カネカでは一昨年の創立記念日のイベントで、社員やその家族の方々にPRしていただきました。ご支援いただいている企業の方々には、社内イベント等で、国連WFPの活動に参加しているということをPRしていただきたいとお願いしています。
藤井:
弊社の創立記念イベントには、社員の家族のお母さんやお子さんも参加されました。私たちが、アフリカの飢餓の状況を説明すると、たいていのお母さんは、子どもに「どれだけ自分が幸せなのか、わかっている?」と言います。子どもたちは、子どもたちで「アフリカの子どもたちが学校へ行けますように」といった感想文を書いていました。やはり対面でお話しすることは、大切だし、心に残してもらえるのだと感じました。
小寺様:
私たちも、ご支援いただいている食品卸会社の展示会に、去年から国連WFPのブースを出させていただいています。現地で出しているトウモロコシをベースにしたおかゆの試食会を開催したのですが、カネカと同じように、「好き嫌いをしたり、食べ物を残したりしてはいけない」と、子どもたちの意識が変わるシーンを見ました。その会社のトップの方からは、国連WFPが途上国でやっていることは食糧支援だけれど、日本のような国では食育になりますね、と言われました。これをヒントに、教材を作ろうとしています。企業のイベントや、学校給食の時間に、世界の食糧事情を教えてもらえば、子どもたちの意識も変わりますから。

カネカの事業は、人類をより豊かに、幸せにしていく
というベクトルで進んでいると感じます。
(国連WFP協会 鈴木邦夫様)
国連WFPや地域社会をパートナーに、
Win-Win-Winの関係を築いていきます。
(カネカ 丸藤峰俊)

●カネカの活動をどのように評価されますか。

鈴木様:
カネカの企業活動は、人類をより豊かに、幸せにしていくというベクトルで進んでいると感じます。すべてのステークホルダーがベネフィットを享受できるようにしなくてはならないことも明確にされています。これは、私どもにとっても納得性が高い、つまりカネカのステークホルダーにとっても説得力ある仕組みを作られていると感じました。カネカは、肥料の生産もされていますが、農業生産を増やしていくことは大きな課題です。特にアジア、アフリカでは、農業生産の自立を進めることが、飢餓から脱出するためのチャンスになります。カネカには、市場とともに進んでいく、市場にくらす人が豊かになってほしいという想いがあり、シエラレオネの社会に対して、これまでの分を合わせると合計6年という長い視点でコミットしていただいているのは、非常にありがたいと思っています。
丸藤:
カネカは、企業理念のなかで「地球環境とゆたかな暮らしに貢献する」ことを宣言しています。ゆたかな暮らしとは、カネカではなく、そこに住んでいる方々が、ゆたかな暮らしを営んでいると思うことなのです。ゆたかな暮らしのベースは衣食住であり、私たちは化学のチカラで、さまざまな課題に一つずつ取り組み、経営理念を実現していきます。また、私たちは、私たちのできる範囲のことしかできないかといえば、そうではないと思います。例えば、子どもたちの食糧問題について、私たちが直接切り込んでいくことは難しいです。しかし国連WFPのパートナーという形で支援させていただくことで、結果的に、地域社会を含めて、Win-Win-Winの関係を築けると考えています。
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