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第三者意見/第三者意見を受けて

第三者意見 「カネカグループCSRレポート2016」を読んで

南 知惠子様南 知惠子様
神戸大学大学院経営学研究科教授

神戸大学文学部卒業。
ミシガン州立大学大学院コミュニケーション学科修士課程修了。
神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了。
博士課程後期課程退学。
横浜市立大学商学部助教授等を経て、現職。
博士(商学)。専攻はマーケティング論。

ステークホルダーへ充実した情報開示を行うために、
より読みやすいCSRレポートへの進化に期待しています。

日本の企業がCSRを本格的に導入してから10年以上がたちます。海外から入ってきた考え方であるため定着にはまだまだ難しい面があり、その「あり姿」をイメージできる企業は少ないのではないでしょうか。
本レポートはカネカグループのCSR活動を「事業を通じた社会への貢献」と明確に位置付け、自社の強みを発揮できる重点戦略分野に焦点を絞りメリハリをつけて報告しています。そのことが、特に「CSR Communication Book(ダイジェスト版)」を、読みやすく手に取りやすい冊子にしているのだと思います。

伝わりやすい表現を用いた特集記事を評価

なかでも「食料生産支援」についての特集は、「食」という身近な、しかも社会的な関心も高いテーマを扱っています。新肥料「ペプチド」がどのように作物の増収を促進するのか、また不凍素材が、冷凍食品の品質保持にどう貢献するのか―、分かりにくいサイエンスの技術について図解を用い社員の声を交えて掲載することで、「食」への貢献がよく伝わってきました。
また、30年以上アフリカで現地密着型の事業を展開しているカネカロンの特集では、事業としての社会貢献に加え、国連WFPによる現地の子どもたちへの給食支援に参加していることを、単なる寄付にとどまらない地に足のついた地域社会とのエンゲージメントとして、ダイアログと絡めて伝えています。さらに、ウィッグ文化や女性の価値観形成に影響を与えていることを、ミス・カネカロン等のビジュアル表現で具体化して見せています。こうした発信は、カネカグループのCSR活動を好意的に印象付けるものとなっています。
さらに特筆したいことは、環境データ(フルレポート:ウェブサイトで公開)です。製造業はその生産活動において、原料調達から生産、物流に至るまであらゆる段階で環境に影響を与えざるを得ません。しかし、そのなかで負荷を削減する活動についてしっかりデータを整理して「生産活動のマテリアル・バランス」として開示し続けていることは、やはり評価したいポイントです。今後もこうした継続的な努力に基づくCSRの取り組みをデータによるきちんとした裏付けとともに、多くの人に伝えていただきたいと思います。

いっそうの工夫で、さらなるコミュニケーションを

巻頭ページの「再生・細胞医療」は分量において少し物足りなさを感じました。社会の注目度が非常に高いテーマなだけに、もっと知りたいと思う読者も多いでしょう。違う紹介の仕方もあったのではと、惜しい気がしました。
また「At a Glance」では、その年のCSR活動関連のデータをピックアップして紹介していますが、その数字にどんな意味があってどんな評価がなされているかまでは、誌面から読み取れませんでした。ビジュアルとしてはおもしろい表現ですが、伝え方にはいっそうの工夫が必要と感じました。
さまざまな企業のCSRレポートを手にする機会がありますが、ボリュームや情報量が多すぎると「読む」ことをためらってしまいます。どんな媒体であれ、読まれなければ意味がありません。より多くの人に関心を持たせ読みやすくすることは、情報開示の上でとても重要な要素です。内容の充実に加え、そういった視点で本レポートを進化させ続けることを期待します。

編集後記 第三者意見を受けて

CSRレポート2016では、ステークホルダー・コミュニケーションの強化に向け、冊子版の構成を刷新しました。具体的にはカネカの事業活動を通じた社会貢献として、当社の重点戦略分野のうち、「食料生産支援」「健康」に関する、取り組みの考え方や活動の意義をステークホルダーメッセージとともに、冒頭に特集として掲載しました。
また皆さまとの話し合いや交流を通じて、ネガイが何なのか、どのようなニーズをもっているのか、その一例として「ネガイをカナエル窓」を設けて表現してみました。

CSR委員会事務局長との面談
CSR委員会事務局長との面談

南先生からは、一連の取り組みに評価をいただきますとともに、「社会の注目度が高いテーマに対する掲載内容の工夫」や「CSR活動関連として記載している数値データの意味とその評価」等、期待する点も指摘いただきました。さらなるコミュニケーションにつなげるために、次回のレポートに反映できるよう工夫していきます。
今後も事業活動を通したCSRの取り組みを、具体的にステークホルダーの皆さまにお伝えし続けることで、より充実した情報開示を行うためのCSRレポートを目指してまいります。このレポートに掲載いたしました内容に対して、感じられたことや改善、また直したほうがよいこと等、皆さまのご意見をいただけますよう、お願いいたします。
ステークホルダーの皆さま、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

株式会社カネカ
CSR委員会事務局一同

2015年版の指摘事項と改善点

南様の2015年版の指摘事項に対し、以下のように改善を行いました。

① 数値目標や自己評価の基準にある背景を伝える必要がある。特に、人事関連、レスポンシブル・ケア関連のデータについては、これまで以上に定量評価での報告をし、基準にある背景を伝えられるよう心がけました。
② 国連グローバル・コンパクトの署名を通じた国際社会へのかかわり方に対する期待。「国連グローバル・コンパクト」を、どのようにカネカグループのCSR活動に取り入れているかを、「CSR活動プロセス」の中で解説し、さらに2015年度の主な取り組みについても報告しています。
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