株式会社カネカ

RECRUITMENT 2018 MEMBER: Researcher talk session

研究者対談

仕事を楽しみ、
うまく失敗する。
イノベーションを巻き起こし、
市場価値を共創せよ

※所属は取材当時

柳生 武彦

成形プロセス開発センター
樹脂加工プロセス開発グループリーダー


1986年入社
農学部農芸化学専攻(修士)修了

千葉 健

先端材料開発研究所
アドバンストポリマーマテリアルズグループリーダー

1994年入社
工学研究科応用化学専攻(博士)修了

これからの研究開発に求められるのは、
深い専門性と幅広い視野の共存
これからの研究開発に求められるのは、深い専門性と幅広い視野の共存

研究職の人材育成について伺います。
求められる資質というのは、以前に比べて変わってきましたか。

千葉

変わってきていますね。もはや専門力だけで新しい事業が作れる時代ではないですから。学生のうちは、自分の専門性をひたすら極めてほしいと思います。その軸がないと、その後の応用が利きませんから。ですが会社に入ってからの新製品の開発には、際立って高い専門性を武器に生きていく人材だけではなくて、対象分野に関しては深い知識を持つと同時に周辺領域の知見を併せ持つ「T型人材」と言われる人材や、さらにはこのT型を進化させた「Π型人材」(分野横断的な発想で事業化のための調整を行える人材)と言われる人材が育っていくことも求められていると思います。いろんな人が必要なんですよ。

柳生

研究職にも人材ローテーションなどを通じていろんな経験をさせようとしています。ただ化学産業は知識習得にある程度時間がかかるので、あまり短期間でローテーションすると十分理解できないまま次に行くということになりかねない。マネージャーとしては、そのあたりのバランスが悩みどころです。

千葉

コーポレートの研究職は、自分が確立した技術を持って事業部に異動して、そのまま製品化のための開発を担当するというのが一番ハッピーな形だと思うんです。一方で事業部の研究職の場合は、既存製品の改良のための研究開発という課題が常にある。製品寿命が長い場合は、その分野の生き字引的な人たちを中心に技術開発するという形ですね。しかし、単に性能を上げれば事業として成り立つという状況が続いているうちはそれでよかったけれども、残念ながらそれだけでは価格競争になったら……

柳生

勝てないだろうね。

千葉

価格競争に陥らないためには、常に新しい価値を提供していかないといけない。そこにT型人材やΠ型人材のパフォーマンスが要るんじゃないかと思うんです。問題は、どうすればそうした人材が育ってくれるのかということですけどね。

縦軸の一番深いところまで行って、戻ってきた 縦軸の一番深いところまで行って、戻ってきた

そもそもお二人が就職先としてカネカを選んだ理由は?

柳生

私は農芸化学出身で、もともとは発酵化学をやっていたんです。バイオエタノールに興味があって、恩師が当時アメリカでデンプン事業をしていたカネカを勧めてくれた。化学メーカーなのに発酵や食品までやっているところが面白いなと。ところが入社して発酵をやるのかと思ったらEPS(発泡スチロール)をやってくれということで、以来各種発泡プラスチックの製品開発やプロセス開発をやっています。

千葉

畑違いの仕事でショックはなかったですか。

柳生

いや、私はわりとそういうのはすんなり受け入れるタイプなんでね。発酵や食品と発泡スチロールって全然違うものに思えるけど、天然高分子と合成高分子の違いはあっても、実は「発泡」とか「セルを作る」という意味では共通点も意外と多い。レオロジーとか界面化学とか必要な知識は共通しているし、手法もよく似ているので、すんなり入れた面もあります。

千葉

類似性にすぐ気付いた。

柳生

まあ、たまたまかもしれませんが。

千葉

私は学生の時は医薬の中間体みたいなのを作る研究をずっとやっていた。だから共同研究先のメーカーからのお誘いもありましたけれども、この先何十年も同じ仕事では面白くない。違う分野もやってみたいと思ってカネカを選びました。ちょっと変わったことやっている会社だなと思って(笑)。

柳生

過去にやってきたことと似ているけど、ちょっと違うことやりたい。そういう意味では二人ともタイプが似ているね。私の場合、入社してからは、コーポレートの研究所で生産プロセスを研究開発して工場に持って行き、そのまま事業部に行って製品開発をするというパターンで、現在はその2周目。またコーポレートに戻って、成形プロセス開発センターで樹脂加工プロセス開発のグループリーダーをやっています。

千葉

事業軸でいうと、縦軸の一番深いところまで行って、また戻ってくるというサイクルですね。

柳生

研究職のキャリアパスとしては、工場側に行く人、生産の方に行く人もいれば、ずっとコーポレートでいろんなテーマをやっている人もいる。いろんな人材が配置されているということが大事。

千葉

私はコーポレートの方が長いのですが、事業部の研究で新たな経験をさせてもらいました。新入社員の頃はイソブチレンの工業化に向けた研究開発。その後、プロテイン・ファイバーや新規樹脂などを手掛けて、2008年から4年間、事業部の方で樹脂改質剤の研究リーダーを務めました。いまはまたコーポレートに戻ってきて、先端材料開発研究所でグループリーダーとしてポリマー関連の新規事業開拓の研究をしています。

柳生

事業部の経験はどうでした。

千葉

業種によってアプローチの仕方がこんなに違うんだなと。それまでずっと材料開発だったので、目標を突破するための仕組みづくりなど、事業部の多面的な取り組みは非常に勉強になりました。

若手には、うまく失敗させてあげたい 若手には、うまく失敗させてあげたい

研究開発に失敗はつきもの。お二人の失敗談を聞かせてください。

千葉

いっぱいありますよ(笑)。以前、ウイッグ(付け毛)に使うプロテイン・ファイバーの研究開発を担当していたときの話ですが、アメリカでモニター試験をやったら毛がバッサリ抜けて試験にならない。「なんでや」と調べてみると、髪の毛に相当する繊維の艶をよくするために塗った油が、接合部の接着剤を溶かしてしまうことがわかった。それから1か月半くらい、ひたすら接着剤の研究をやりました。

柳生

あまり大きな声では言えんけど、私もいろいろあったな。最初にやったプロセス開発で、ラボからスケールアップするときに、熱の拡散をどうするかで上司と議論になってね。私が「大丈夫です。これでやらしてください」と押し切った。そうしたら異常重合で重合機の圧力が上がって…。あのときはドキドキしたな。しこたま上司に叱られましたけど、今思うとそれも承知の上だったんでしょう。

千葉

若手にチャレンジさせてくれる上司がいた。いまは自分がその立場ですが、多少リスクがあるなと思っても、やることについてちゃんと説明ができれば「やってみたら」と若手には言うようにしています。

柳生

自然科学のいいところは、実際に起きた現象そのものが正しいんです。ある程度は予測できるけど、実際にやってみないと「絶対こうだ」とはいえない。やるかやらないか、最後のところは阿吽の呼吸だね。

千葉

新しいチャレンジというのは、たいてい経験知の外にあることをやろうとしているわけですからね。いまはITが発達して、キーボードをカチャカチャやって検索すると、なんとなくわかった気にはなれるけれども、それが本質的な「知」なのかというと違う。やはり自分で失敗を含めた経験をしながら、自分のセオリーを作るという作業をしないと人は育たないし、ブレイクスルーも生まれない。

柳生

最近は安全管理が厳しくなって、あまり無謀なことは許されませんが、若手には、うまく失敗させてあげたいね。

苦い経験の方が、振り返ると楽しめる 苦い経験の方が、振り返ると楽しめる

入社されたときには、いろんな夢があったと思います。
振り返ってみて、それは実現できたと思いますか

柳生

何か物を作って世の中に出したいということかな。そういう意味ではかなりかなったといえるでしょうね。発泡プラスチックは、想像以上に色々なところで使われています。たとえば、埋立地とか道路地盤の嵩上げには、軽量盛土材として私が開発したEPS(発泡スチロール)の部材が入っているんです。

千葉

某テーマパークもそうでしたっけ。

柳生

そう。建設中はよく行きましたよ。

千葉

できてからは?

柳生

1回しか行っていない(笑)。

千葉

私も、「これは俺がやった」というものを残したいと思ってカネカに入った口です。若いうちから新しいもの、次世代の製品になるような研究開発をやらせてもらって、本当に面白い経験をしてきました。新しいものって、やっている最中は苦しいんですけど、終わってみると面白かったなあという印象です。

柳生

それがいいんだろうね。

千葉

やっぱりほろ苦い経験のほうが、あとで振り返ると楽しめますよね。簡単にうまくいったことは、あまり覚えていない。

柳生

いまも何か変わったことやってるね。

千葉

JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同で、ポリイミド系の樹脂を使って次世代の航空宇宙材料をつくろうというプロジェクトを始めています。

柳生

なかなか夢のある仕事だね。だから、よくうちの部屋にも自慢しに来る(笑)。

千葉

装置設計のできるメンバーが欲しいので、柳生さんのところにも関わってもらえないかなと。要するに夢を共有できる仲間を探しに行っているんです。

リーダー層が中心となって「壁」を壊す リーダー層が中心となって「壁」を壊す

今後のカネカについて、どんなビジョンをお持ちですか

千葉

会社的には2020年に売上1兆円という目標を掲げていますが、それは従来の延長線上では難しい。やはり何らかのジャンプアップが必要だろうと思います。これは組織論になりますが、カネカが採用しているような事業部制って、「こうやれば事業は伸びる」というのが分かっていた時代の形なんです。かつてはそれでよかったんですが、現在のように情報化が進むと、顕在化したニーズに対するビジネスはすぐにコスト勝負になってしまう。この先、一層の飛躍を目指すには、誰も手掛けていないようなテーマを抽出して、オリジナルの価値を世の中に提供していくようなビジネスを創造していかなくてはいけない。そのためには事業の垣根を越えた連携・融合が必要だと考えていまして、われわれグループリーダー層が中心となって横串の役割を果たしていこうと皆さんに働きかけているところです。

柳生

会社もその必要性は感じていると思う。リーダークラスを対象にした研修を充実させているのも、内部からそういう自発的な改革を起こしたいという狙いがあったんでしょう。

千葉

カネカにはいろんな事業があって、そこに多様な人材がいる。そのリソースを生かせばいろんなことができると思います。

柳生

私のいる生産技術部門は社内外のいろんな部署と付き合いがあるので、内外の多面的な情報やテーマが入ってくる。ある意味、カネカの事業ネットワークをつなぐハブのようなセクション。コーポレートと事業部、あるいは事業部相互の壁を超えた連携を進めて、好循環を生んでいきたいね。その先に、われわれの想像をはるかに超えたイノベーションがあるんだと思います。

必ずどこかに「はまりどころ」がある 必ずどこかに「はまりどころ」がある

最後に、これからカネカに入ってくる研究職志望の
学生さんたちに向けてメッセージをいただけますか。

千葉

カネカは経歴にかかわらず「これだ」と思った人には任せてくれる度量がある会社です。また自動車メーカーだったら自動車以外のことをやるのは結構大変ですが、うちはいろんな事業をやっていますから、チャレンジの機会もたくさんあると思います。こういうことがやってみたい!やらせてくれ!という情熱のある方にぜひ来て欲しいですね。

柳生

わりと緩い会社、というか自由度が高い会社なので、意欲があればいろんなことがやれる。ただし、やる以上はそれなりの覚悟をもって、ということかな。一言だけいうとすれば、自分はこれが専門だから、これしかできないとか、これしかやりたくない、という風には決めないほうがいい。ある程度の力量と意欲があれば、必ずどこかにはまりどころはありますから。

千葉

専門力というのは、大学でやってきた分野ではなくて「やり方」なんです。フィロソフィーとか、アプローチの仕方といった意味での専門力は必要。しかし学生の時に学んできた分野だけで勝負できるかといったら、そんなことない。

柳生

大学で学ぶのは方法論。実践は会社で学びながらやる。

千葉

やり方さえ身につけておけば、実際に仕事に必要な専門力は、会社に入ってからいくらでも学ぶことができます。

柳生

だから食わず嫌いにならないことですね。むしろ専門外のことをやった方が、違う自分が見つかって可能性が広がるかもしれない。ただし、これはあくまで我々の経験にもとづくアドバイスに過ぎないことも言っておきたい。過去の経験がむしろ邪魔になるほど、変化の早い時代だからね。どういう道を進むかは自分次第なんだと思いますね。

イノベーションにつながる技術革新を起こし、これまでにない市場を創出していくためには、世界で戦える極めて高い専門性が必要。一方で企業がそれをビジネスとして成り立たせるためには市場に対する実践力も当然必要になりますが、そうしたことは会社に入ってから十分学んでいけるんですね。今はそのための基本となる、研究のやり方、方法論を大学でしっかりと身につけて、社会人になってからますます大きく羽ばたいてほしい。そんな思いが伝わってきました。

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