小型・軽量、持ち運び可能な細菌検査機器を開発

―8月1日より購入予約を開始―

株式会社カネカ CSR推進部広報室
2016/08/02

株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)は、持ち運び可能な検査機器「カネカ温調機能付き吸光度計*1 MyAbscopeTM(マイアブスコープ)」を、ウシオ電機株式会社(本社:東京都、社長:浜島 健爾、以下ウシオ)と共同開発しました。検査設備が未整備な医療施設・空港・港湾で活用することで細菌などの検出結果を短時間で得ることができるようになります。

近年、世界規模で人の移動や物流が急拡大し、感染症や食の安全に対するリスクが高まっています。「サルモネラ菌」「大腸菌0-157」などの病原菌の迅速な検出が重要になる中、設備が整っていない施設では、専門機関への検体の輸送で判定までに数日かかるため、その場で検査判定できる機器のニーズが高くなっています。

「カネカ温調機能付き吸光度計 MyAbscopeTM」は、当社独自の核酸検出技術(D-QUICK*2)を利用した機器で、現場で結果が短時間で判明し、感染症の拡大を防ぐことが期待されます。また、酵素反応*3を測定することで、魚の鮮度測定にも応用できるなど、他のさまざまな用途にも活用できます。

「持ち運び可能」「タブレット端末での無線通信制御」という特長を最大限に活用した「IoT」製品として医療施設や空港・港湾への普及を目指します。また今後「現場での検査」が可能な簡便・迅速な検査診断機器の研究開発を進め、安心・安全な社会の実現に貢献していきます。

以 上

MyAbscopeTM外観
ふた 開 外観

*1 吸光度計:液体のにごりや色の濃淡を測定することで細菌を検出。
*2 D-QUICK:核酸が存在すると着色する色素を用いて細菌を特定する技術。
*3 酵素が鮮度の指標になるヒスタミンというタンパク質と反応することで魚の鮮度を判定可能。

【主な特長】
① 小型(A4サイズ)、軽量(約2.0kg)、バッテリー駆動可能なため、検査現場へ持込みでき、検査
の前処理から測定までを1台で完結。
② 測定部にウシオのSOT(Silicone Optical Technology)技術を採用し、サンプル加熱時や振動環境においても正確な高感度測定が可能。
(SOT技術:吸光度測定に大切な光の通る部分にシリコーン樹脂を用いることで、測定の精度と装置の耐久性を高めた技術)
③従来は数日かかっていた病害菌などを、検査現場にて短時間で検出。

【製品概要(本体)】
製品名:「カネカ温調機能付き吸光度計MyAbscope TM」
仕様:
・恒温・吸光度測定部(酵素反応測定)
  温度制御範囲 35~70度
測定方式   8チャンネル独立吸光度測定(RGBセンサー)
検体架設   最大8検体(0.2 mlチューブ)
・高温処理部(サンプル前処理)
  温度制御範囲 35~100度
  検体架設   最大4検体(1.5 mlチューブ)
・寸法 H92×W312×D190 (mm) (A4サイズ)
・重量 約2.0 kg
製造元:ウシオ電機株式会社
販売元:株式会社カネカ
連絡先:株式会社カネカ メディカルデバイス開発研究所 TEL. 079 – 445 – 2406
【製品概要(ソフトウェア)】
対応端末 対応OS Android 5.1.1