世界初。100%植物由来で軟質性、耐熱性を有するバイオポリマーを本格展開

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世界初。100%植物由来で軟質性、耐熱性を有するバイオポリマーを本格展開

株式会社カネカ 広報室
2009/02/06
 株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、植物油脂を主原料とするポリエステル系バイオポリマーである「カネカ PHBH(仮称)」(3-ヒドロキシ酪酸と3-ヒドロキシヘキサン酸の共重合ポリエステル)の事業を本格展開する。隣接する用地を取得して拡張した高砂工業所(兵庫県高砂市、工業所長:叶 敏次)の敷地内に、2010(平成22)年稼働を目標にPHBH製造技術の検証及び開発用ポリマー生産実証設備を設置する。生産能力は年産約1000トンで、設備投資及び研究開発に関わる投資額は約25億円。マーケットの動向を見極めながら、数年後に年産1万トン、更に生産設備を段階的に増強し最終的には売上高100億円以上の事業に育てる方針である。尚、当事業は独立行政法人科学技術振興機構の「独創的シーズ展開事業」の委託開発事業として採択された。

 当社が物質特許を保有しているPHBHは、再生可能資源である植物油脂等のバイオマスを主原料とし、土肥義治理化学研究所理事との共同研究による菌株育種、培養技術によって微生物体内にポリマーを高度に蓄積させ、それを精製して取り出すクリーンプロセスで生産する。更に食糧には使用されないバイオマスを主原料とする製造技術確立にも目処を得ている。PHBHは日常の使用条件下では安定である一方、生分解性が優れ、自然環境の嫌気性・好気性いずれの雰囲気下でも短期間で分解され、最終的には炭酸ガスと水になる。100%植物由来であるため化石資源由来のポリマーと比べ、二酸化炭素の増加が抑制され、地球温暖化防止への貢献が可能である。

 またPHBHは、共重合体の3-ヒドロキシヘキサン酸の比率が増加するにつれて柔軟な性質が出てくるため、共重合比率をコントロールすることで、硬質から軟質まで幅広い物性を示し、ポリエチレンやポリプロピレンに類似の物性も実現可能である。バイオポリマーとして用途が広がってきている硬質のポリ乳酸(PLA)に比べ、優れた耐熱性、生分解性、耐加水分解性、水蒸気バリア性を有し、100%植物由来で軟質性、耐熱性を有する生分解性ポリマーとして世界初の実用化となる。主な用途としては、フィルム・シート、発泡体、射出成型品、繊維などに加工して、農業・土木資材、自動車内装材、電気機器、ボトル・容器、サニタリー用品、一般包材などへの利用が期待される。

 バイオポリマーは、地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量削減や環境保全に貢献するとして急速に注目を浴びており、その需要は2007(平成19)年で約87000トンと、今後も世界市場で年率20%の成長が期待されている。特にこれまで実用化されていなかった100%植物由来の軟質系ポリマーへの要望が強く、当社としては、まずPHBHの優れた特徴を活かし、農業用マルチフィルムなど軟質フィルム用途を中心に本格展開する。

以 上

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