高熱伝導率、室温硬化性・電気絶縁性を有した新規エラストマーを開発

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高熱伝導率、室温硬化性・電気絶縁性を有した新規エラストマーを開発

 

熱対策材料第二弾として、電子機器の部品用途に積極展開

株式会社カネカ 広報室
2009/04/23
 株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、当社における液状樹脂の技術力を生かし、独自に合成した非シリコーン系反応性オリゴマーと熱伝導性フィラーとの組み合わせにより、高熱伝導率と室温硬化性・電気絶縁性を有する「非シリコーン一液室温硬化型熱伝導性エラストマー」の開発に成功した。主にパソコンや家電などの電子部品、エレクトロニクス化が進む自動車の電装品やLED部品の熱対策材料向けとして積極展開する。すでに一部のユーザーで高い評価を得ており、5年後の売上高として約20億円を目指す。

 現在、回路基板に実装したCPU(中央演算装置)などの電子部品から発生する熱を逃がすため、銅やアルミニウムなどの金属製ヒートシンク(*1)を部品上部に設置している。CPUなどの電子部品等から発生する熱をヒートシンクに効率よく伝えるために電子部品とヒートシンクの間にサーマルインターフェイスマテリアルズ(TIM)が使用されている。このTIMとしては主にシリコーン製のグリース(*2)などが使用されているが、電子機器の小型・薄型化や高性能化に伴い新規のTIMへの期待が高まってきている。

 今回開発した新規エラストマー「非シリコーン一液室温硬化型熱伝導性エラストマー」の主な特徴は、以下の通りである。

・ 優れた熱伝導性に加え、電気絶縁性を兼ね備えており、回路基板上の高さが異なる複数の電子部品の段差を埋めながら、その上にヒートシンク(放熱体)を接着することが可能となる。
・ 電子部品との密着性に優れているだけでなく、剥離性も良好であるため実装した電子部品のリペアが容易である。
・ 常温硬化型であるため、シリコーン製グリースとは異なり、耐ポンプアウト性(*3)に優れ、シリコーン系材料の課題である低分子量環状シロキサンによる接点障害の発生もなく、電子部品を直接封止する熱伝導性ポッティング材料としても最適である。

  加速する電子機器の高性能化・小型化・薄型化は、発生する熱をいかに効率良く移動させて排熱させるかという「熱対策(サーマルソリューション)」が喫緊の課題である。当社は、エレクトロニクス事業分野を重点戦略分野と位置づけており、この課題を解決できる電子機器向けの熱対策材料(サーマルソリューションマテリアルズ)の開発を積極的に進めている。すでに、昨年12月、熱拡散シート「新規グラファイトシート」を発表し、今般はその第二弾として積極展開する。引き続き、市場ニーズをタイムリーに把握し、当社独自技術による多様な要素技術を有効活用して品揃えを拡充し、サーマルソリューションに寄与する新素材を製品化していく。

 

以 上

 
(*1) 発熱する機械・電気部品に取り付けて、熱の放散によって温度を下げることを目的にした部品。放熱器又は板状のものは放熱板と呼ばれ、主に熱が伝導しやすいアルミや銅などの金属が材料として用いられる。

(*2) シリコングリースは、不定形シリカフュームを添加したポリシロキサン化合物であり、潤滑剤として用いられ、腐食されにくい。高温でも安定であり、酸化亜鉛等熱伝導率の高い粒子を添加してコンピュータの CPU用のヒートシンクを接着する際等に使われる。

(*3) ポンプアウトとは、ヒートサイクル時の放熱材料の熱膨張収縮や、基板の反りにより、放熱材料そのものが放熱システム系外に流出する現象。

 

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