第61回(平成20年度)近畿化学協会化学技術賞を受賞

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第61回(平成20年度)近畿化学協会化学技術賞を受賞

 

原子移動ラジカル重合による、ポリアクリレート系反応硬化型テレケリック液状樹脂の開発に対して

株式会社カネカ 広報室
2009/05/28
◎株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、耐熱性、耐候性、耐油性などの優れた特長を持つポリアクリレート系反応硬化型テレケリック液状樹脂(両末端反応型ポリアクリレート:商品名「KANEKA XMAP®」)の工業化に、2006(平成18)年世界で初めて成功しました。この技術の開発とこれまでの実績に対して、第61回(平成20年度)近畿化学協会化学技術賞*1の受賞が決定し、5月29日にヒルトン大阪ホテルにて授賞式が行われる予定です。

◎「KANEKA XMAP®」は、従来のアクリル系、シリコーン系、ウレタン系、エポキシ系の反応硬化型液状樹脂に比較して、
・高い耐熱性、耐油性、耐薬品性を有し、良好なゴム弾性を発現する。
・硬化収縮が非常に小さく寸法安定性に優れる。
・電気接点障害や周辺汚染を引き起すと言われるシロキサン成分を含有していない。
・分子量分布が非常に狭いため、高分子量ながら低粘度である。
などの特長を有しており、高性能のシーラント・接着剤・コーティング材・ポッティング材等のベースポリマーとして、金属、プラスチック、ガラスとの良好な接着性を活かし、建築用、工業用、自動車用など幅広い分野での採用が進んでいます*2。

◎これまでにもポリアクリレート系反応硬化型テレケリック液状樹脂の工業化は試みられていましたが、従来のポリアクリレートの工業的製造法では、分子鎖の両末端に精度良く官能基を導入することや、粘度や硬化後の機械物性に大きな影響を与える分子量及び分子量分布の精密制御も困難でした。

◎当社は、カーネギーメロン大学のマティャシェフスキー教授が開発し、基本技術のライセンスを供与されている原子移動ラジカル重合(ATRP)法を応用し、独自の重合・反応温度制御技術を用いることにより、高度に構造が制御された液状樹脂の工業化に成功しました。これにより、分子鎖の両末端に多様な官能基を精度良く導入し、また各官能基の効率的な硬化を促進することが可能となりました。さらに独自の精製技術により、重合触媒についても、ほぼ非検出レベルまで除去することを実現しました。

以 上

 
*1 近畿化学協会化学技術賞
 工業化したもの、工業化しうるもの、工業化への寄与が著しいものを対象とし、化学に関連する研究及び技術で顕著な業績があると認められた、45歳未満の研究技術者に対して授与される。

*2 主な採用事例
〇動的疲労特性、耐候性、ガラス耐候接着性などが良好なことにより、超高耐候性一液シーリング材、高耐久性建築二液シーリング材、光触媒ガラス用シーリング材等の建築用弾性シーリング材原料として採用。
○耐熱性、耐油性に加え、アルミニウムやマグネシウム部材への接着性が優れていることにより、自動車エンジンルーム内部品の自動実装システム(FIPG:Formed-in-Place Gasket)に採用。
○従来からのシリコーン材料に対して、耐熱性があり、また低分子シロキサン化合物を含まないことにより、接点障害が懸念されるリレーを有する車載電装部品の保護材に採用。
尚、接点障害については、大学と共同で既存の接点障害対策シリコーン材料と比較し、特に高温下で本材料に大きな優位性があるとのデータが得られており、すでに学会発表をしている。

 

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