業界初、デュアル硬化タイプのUV・湿気硬化型接着剤を新たに開発

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業界初、デュアル硬化タイプのUV・湿気硬化型接着剤を新たに開発

 

携帯電話等の電子機器用途に積極展開し、3年後の売上高20億円を目指す

株式会社カネカ 広報室
2010/03/01
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、電子デバイス用接着剤メーカーのケミテック株式会社(本社:東京都府中市、社長:野中督 以下、ケミテック)と共同で、デュアル硬化タイプのUV(紫外線)・湿気硬化型接着剤の開発に業界で初めて成功した。
市場が急拡大している携帯電話、ナビゲーションシステム、ネットブック、デジタル・フォトフレーム等の電子機器における屋外での視認性(*1)の大幅な向上が可能となる。今月より販売を開始し、3年後の売上高として約20億円を目指す。

これまで、液晶(FPD)の視認性を向上させるためには、UV硬化型の光学弾性樹脂などをエアギャップに充填し、光の錯乱を少なくすることが一般的な対策として採られていた。しかし、黒印刷が施されている部位(ブラックプリント部)の周辺部分には紫外線が届かず、その部分の樹脂硬化が不十分となり、製品の信頼性などの課題があった(*2)。

今般開発に成功したUV・湿気硬化型接着剤は、当社独自の湿気硬化の配合・評価技術と、ケミテックの接着用途における配合・評価技術を融合させ、従来からのUV硬化樹脂に湿分(水分)にて硬化する機能を付与した。このことにより、ブラックプリント周辺部分を容易に硬化させることが可能となる。
UV・湿気硬化型接着剤の具体的な特徴は、以下の通りである。
・FPDカバーボード(保護材)のUV光透過部はUVで硬化し、UV光不透過部は空気中の湿気で硬化する。これにより、UV照射後の加熱による硬化なども不要となる。
・カバーボードとFPDとの空隙(エアギャップ)を埋めると同時に、カバーの材質となるガラスやアクリル樹脂との屈折率を同程度に設計することで、太陽光などが反射する環境での視認性を大きく改善する。
・カバーボードやタッチパネルに使用されるアクリル樹脂、PET樹脂等との接着性に優れているため、静電容量方式のタッチパネルタイプのFPDにも好適である。
・硬化前は液体であるため、光学用透明粘着材(Optical Clear Adhesive:OCA)などの光学弾性樹脂と比較して、FPD表面の段差(*3)が効率的に吸収され、FPD額縁部に陰影が生じることなく、FPDの意匠面での設計自由度も向上する。

今後も、当社の素材開発力と、ケミテックの配合・評価技術とを融合させることで、当社の重点戦略分野の一つであるエレクトロケミカルズ分野における新製品を順次上市・展開していく予定である。

(*1)直射日光があたる屋外では、液晶(フラットパネルディスプレイ:FPD)とそのカバーボード(保護材)との間の空隙(エアギャップ)により、光が錯乱して輝度・コントラストが低下するため、携帯電話や液晶の画面などが非常に見づらく視認性が低下する。
(*2)携帯機器などには、落下時のFPDへの衝撃を軽減するために、透明のカバーボード(保護材)が組み込まれている。このカバーボードの裏に黒い印刷(ブラックプリント)が施されている場合が多い。印刷部位の下にはUVが届かないためUV硬化樹脂が十分に硬化しない。一方、UV硬化樹脂に熱硬化型の樹脂を配合することで、UV照射後に加熱して硬化を補完する方法もあるが、電子機器への熱によるダメージが大きいという問題がある。
(*3)ガラスやアクリル樹脂等の周辺部にブラックプリントがされていると、一般的に数十μの印刷部分の厚みが生じ、印刷のない部分との段差ができる。従来から使用されているOCAなどの両面粘着テープでの貼り合せでは、この段差を十分に吸収できない。

<ケミテック株式会社の概要>
設立:1987(昭和62)年4月
資本金:3.2億円
代表取締役社長:野中督
本社:東京都府中市
事業内容:電子デバイス用の接着剤・シール剤、マイクロカプセルおよびその応用品などの製造加工並びに販売

以 上

 

 

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