CellEffic BM(間葉系幹細胞分離デバイス)の欧州医療機器承認および販売の開始

株式会社カネカ 広報室
2013/04/12
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、再生・細胞医療で使用される間葉系幹細胞(以下・MSC)(*1)を骨髄液から安全かつ効率よく分離するCellEffic BM:セレフィックBM(間葉系幹細胞分離デバイス)の欧州での医療機器承認を得ました。MSCは、国内外の多数の臨床試験で使用され、すでに安全性や有効性が確認されつつある細胞であり、iPS 細胞と同じく、再生・細胞医療で使用されることが大きく期待されている細胞です。セレフィックBM によるMSCの分離方法は、従来の遠心分離により細胞を分離する方法とは大きく異なり、特殊な不織布フィルターを使用することにより遠心分離をすることなく閉鎖系で骨髄液を処理することができます。このことから、患者様間の細胞の取り違えや外部からの雑菌の混入を防ぎ、また、ウイルス等に感染した細胞を調製する場合でも技術者の安全が向上します。さらに、従来の方法より1/5程度の時間で処理できること、技術者の技量に関係なく同じ効率で細胞を分離することができることから、今後、MSCを分離する標準デバイスとすることを目指します。セレフィックBM は、本年3月より、当社子会社のカネカ ファーマ ヨーロッパを通じて欧州で販売を開始しました。

セレフィックBM は、当社が日本、欧州、米国で医療機器として販売を展開している血液浄化システムの研究開発で培った独自の技術やノウハウを活かし、京都大学の戸口田淳也教授と共同で開発されたものです。セレフィックBM は、2009年10月より国内で理化学機器として販売を開始していたデバイスに、さらに閉鎖系を向上させる等の改良を行い、医療機器として承認を受けたものです。従来の方法より、MSCを2.5~4 倍程度多く取得することができることも特徴の一つです。(*2)セレフィックBM を広く提供することにより、より安全で効率的な細胞調製に貢献したいと考えています。

*1 骨髄や脂肪組織に存在する未分化の細胞で体性幹細胞の一種。筋肉、骨、軟骨、脂肪など間葉系に属するさまざま細胞に分化できる能力を持ち、且つ自己複製の能力を持つ細胞である。自己の細胞が使えることにより、拒絶反応の心配がないのがメリットで、iPS 細胞や、胚性幹細胞(ES細胞)とともに再生医療での利用が期待される。
*2 研究成果については、学術雑誌である「Tissue Engineering」に掲載され、別施設(米国)で実施した研究成果も「Cytotherapy」2 月号に掲載された。

当社は2009年に制定されたKANEKA UNITED 宣言で健康に関する分野を重点分野のひとつと位置付けております。セレフィックBM をはじめ、人々の健康や医療に貢献できる素材や製品を創出して参ります。

<販売機器の概要>
○製品形態:閉鎖系デバイス
○特長:
1.本デバイスでは今回当社が開発した不織布フィルターを使用し、MSCが繊維に付着する性質を利用して一度の処理でMSCを効率的に採取することを可能にしました。作業時間は、20分間程度となり、従来からの密度勾配遠心法(フィコール法)の約5 分の1程度まで短縮させました。

2.本デバイスによりヒト骨髄液より分離して採取できるMSCの数は、従来の方法と比較して2.5~4 倍多く、細胞の抽出効率が従来の方法と比較して大幅にアップします。このため一定の細胞を採取するのに必要な患者様の骨髄液量も減少させることが可能となります。

3.閉鎖系での処理が可能なため、患者様の細胞に他の患者様の細胞が混入するリスクを低減でき、ウイルス等に感染をした患者様の骨髄液の処理をする際の作業者の安全も向上することができます。

以 上