迅速・簡便なRNA抽出キットを開発

株式会社カネカ 広報室
2013/05/23
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、Biocosm株式会社(本社:大阪市、社長:平塚哉)と共同で簡便・迅速に検体から遺伝子を抽出できるRNA(ribonucleic acid・リボ核酸の略)抽出キットを開発し、今月から当社より商品名・カネカ簡易RNA抽出キット(RT-PCR用)として販売を開始しました。

当社は、従来から当社が保有するバイオ・有機合成・高分子の技術を融合し、「遺伝子検査の迅速・簡便化」をキーワードに技術・製品開発を進めています。これまでに、遺伝子の有無を目視判定できる「核酸クロマト型チップ」(2012年)や「ピペットチップ型PCR増幅判定ツール(商品名:D-QUICK)」(2010年)を販売しております。また、検体から遺伝子を抽出する「カネカ 簡便DNA抽出キット」や抽出した遺伝子を迅速に増幅する「カネカ 高速増幅用DNA Polymerase」も2012年12月から販売しています。

今回発売を開始した「カネカ 簡易RNA抽出キット」は、検体(血液、培養細胞など)に試薬を加え、加温するだけでRT-PCR(*)に利用可能なRNA抽出液を得ることができます。操作時間は約30分で、有機溶媒や特別な器具を使わないため、従来法よりも作業時間の短縮と簡便化に貢献できます。

当社は2009年に制定された「KANEKA UNITED宣言」で健康に関する分野を重点分野の一つと位置付けております。D-QUICK、核酸クロマト型チップ、DNA/RNA抽出キットに加え、今後も遺伝子検査を迅速・簡便化する技術・製品も販売していく予定であり、検査診断事業として10年後に150億円の売上を目指します。

* RT-PCR:Reverse Transcription Polymerase Chain Reactionの略。逆転写酵素を用いて一本鎖のRNAを鋳型に二本鎖のDNAを生成し、生成したDNAを鋳型に核酸合成酵素(PCR酵素)を用いて、特定の遺伝子を増幅する方法。バイオ研究などで利用されている汎用技術。

品名 (発売)「特徴」 主な用途

核酸クロマトチップ (2012)「 遺伝子増幅反応後に複数の遺伝子を検出するデバイス」 検査診断向け
ピペットチップ型PCR増幅判定ツール(D-QUICK) (2010)「 遺伝子増幅反応後に増幅遺伝子の有無を簡単に確認するツール」 研究用
カネカ簡易DNA抽出キット (2012)「 検体に試薬を加えて加温する簡便な操作でDNAを抽出する試薬」 研究用
カネカ高速増幅用DNA Polymerase (2012)「 抽出した遺伝子を迅速に増幅する試薬」 研究用
カネカ簡易RNA抽出キット (2013)「 検体に試薬を加えて加温する簡便な操作でRNAを抽出する試薬」 研究用

以 上