非食料系の植物を原料としたバイオプラスチックの微生物生産

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非食料系の植物を原料としたバイオプラスチックの微生物生産

-樹木に多く含まれるリグニンから作られるプラスチック-

株式会社カネカ 広報室
2014/04/04
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉護)は、独立行政法人理化学研究所(所在地:埼玉県和光市・理事長:野依良治)環境資源科学研究センター(所在地:神奈川県横浜市、センター長・篠崎一雄)バイオマス工学連携部門酵素研究チーム・沼田圭司チームリーダーらと共同で、樹木に多く含まれる成分であるリグニンの分解物を微生物の炭素源として利用して、バイオプラスチックの一種であるポリヒドロキシアルカン酸(PHA)を合成することに成功しました。

石油資源からの脱却を目指し、植物バイオマスを利用した物質生産に関する研究が世界各国で進められています。これまで、植物バイオマスのなかでも、セルロースなどは分解による糖への変換が幅広く進められてきましたが、樹木に多く含まれるリグニンは分解性が低く、また分解後に得られるいくつかの分解物が微生物などへ毒性を示すなどの理由で、利用が困難であると考えられてきました。

当社は沼田チームリーダーらと共同で、リグニンを構成する芳香族化合物および類似する芳香族化合物を単一炭素源として複数種の微生物に与え、PHAの生合成を試みました。その結果、PHAの生産株として有名な細菌の一種「ラルストニア・ユートロファH16(Ralstonia eutropha H16)(Cupriavidus necator)が、リグニンの構成成分である4-ヒドロキシ安息香酸(4-HBA)をはじめ複数の芳香族化合物から、PHAを合成することを確認しました。4-HBAを用いた場合、微生物の乾燥菌体重量の63wt%程度までPHAを微生物内に蓄積し、生産性が高いことも分かりました。精製後に得られたPHAは、糖や植物油を原料として合成したPHAに比べ、分子量がやや低いものの、フィルムなどのプラスチック製品として利用可能な物性を示しました。

今回の成果から、これまで利用が困難であったリグニンを用いた、微生物による物質生産を目指した基盤技術の構築が期待されます。また、リグニン分解物を含む製紙工場などの廃液利用へも応用が可能であり、幅広いバイオリファイナリー技術と融合することにより、新たなバイオマス産業の構築が期待できます。

本成果の詳細については下記、理化学研究所 プレスリリースサイトも参照ください。
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140329_1/

以 上

 

 

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