素材の風味が出る油脂「Flavor Releasable Oil」を開発

株式会社カネカ CSR推進部広報室
2015/04/08
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)は、クロワッサンやデニッシュに用いることで、バターやチョコの味をより強く引き立てることができるロールイン用シート(製品名未定)の発売を、5月1日に予定している。
本製品は、カネカ独自の油脂改質技術を活用して開発した素材の風味が出る油脂「Flavor Releasable Oil」を用いることにより、ロールイン用シート中に配合したバターやチョコの風味を、最大限発揮させたロールイン用シートである。

クロワッサンやデニッシュに用いられるロールインマーガリンなどのシート製品は、生地に層状で折り込んで使用されるため、シート状で加工できることに加え、伸展性が良いなど作業性面での特性が求められる。そのため、従来のロールインマーガリンには温度が高くても溶けない硬い油脂成分が配合されるのが一般的であった。このように硬い油脂成分を配合すると、クロワッサンやデニッシュの焼成後に製品が冷えることにより油脂の結晶が析出し、油脂のジューシー感が損なわれ、ロールインマーガリンに配合したバターなどの風味が出にくくなるという欠点があった。

当社は、独自の油脂改質技術を活用して、ロールインシートでは結晶状態でありながら、焼成後は半液状の物性を保つ油脂「Flavor Releasable Oil」を新たに開発し、シート加工性や伸展性など作業性面での必要特性を満たしながら、ジューシー感や素材の風味が出やすいロールインシートの開発に成功した。

パン市場は、原材料のバター不足が深刻化するなど、原材料価格は長期的に上昇することが予想される。本製品を使用することで、バターやチョコの素材感をより向上させることが可能となる。なお、本製品について「ヴィオロンシリーズ(予定)」として、バター風味のロールインマーガリン製品とチョコ風味のチョコレートファットスプレッド製品をラインナップして、パン市場へ販売していく。

以 上