ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池、変換効率24.5%を達成

株式会社カネカ CSR推進部広報室
2015/07/29
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)は、銅めっき法により集電極*1を設けた大面積(6インチ角)のヘテロ接合結晶シリコン太陽電池セルにおいて、変換効率世界最高水準となる24.52%(第三者機関*2での認証値)を達成しました。この成果は、高品質アモルファスシリコンを用いた結晶シリコン基板の表面欠陥低減技術に加え、IMEC*3との共同研究の成果を一部適用した銅めっき法による電極形成技術などの当社独自技術を活用することにより達成しました。結晶シリコン太陽電池の分野で主流となっている6インチ角のセルにおいて世界最高水準の変換効率が達成されたことは、生産コスト低減に大きく寄与するものと期待されます。

当社では、今年度中にヘテロ接合結晶シリコン太陽電池モジュールの販売開始に続き製造能力を拡大していきます。なお、この成果の一部は、昨年度まで実施した国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)との共同研究*4の結果、得られたものです。

また、太陽電池セル・モジュールのさらなる高効率化実現に向け、当社は本年度よりNEDOが実施するプロジェクト(「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」)に参画し、「結晶Si太陽電池をベースとした複合型太陽電池モジュールの開発」をテーマに研究開発に取り組んでいきます。

これらの成果については7月29日から東京ビッグサイトで開催されるPVジャパン2015にて展示予定です。

以 上

 

*1 太陽電池セル表面に形成された微細な金属電極。集電極は太陽電池に照射された光を遮るため細線であり、低抵抗であることが求められる。
*2 フラウンホーファー太陽エネルギーシステム研究所 (Fraunhofer ISE)(ドイツ)
*3 IMEC International (所在地:ベルギー王国、CEO: Luc Van den hove)。単結晶シリコンを中心とした半導体プロセス関連で、世界トップレベルの研究機関として知られる。
*4 NEDOのプロジェクト「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」において、「超低コスト高効率Agフリーヘテロ接合太陽電池モジュールの研究開発」をテーマに実施した。