カネカ 日本生物工学会 生物工学技術賞を受賞

―生分解性ポリマーPHBH製造方法の開発で―

株式会社カネカ IR・広報部
2018/09/18
  株式会社カネカ(本社:東京都港区、社長:角倉 護)は、「微生物による生分解性ポリマーPHBH製造方法の開発」で、公益社団法人日本生物工学会*1より2018年生物工学技術賞*2を受賞し、表彰式が9月5日に関西大学で行われました。微生物発酵によるカネカ生分解性ポリマーPHBH ® の工業的製造法に関し、生産に用いる微生物の育種改良や培養方法について基礎研究から工業的規模で検討し、ポリマー物性を高める発酵生産技術を確立したことが評価されました。

  カネカ生分解性ポリマーPHBH ® は100%植物由来で優れた生分解性を有します。欧州では使い捨てプラスチック削減の規制が強化され、果物・野菜袋やコンポスト*3袋などへの採用が進んでいます。 近年、マイクロプラスチック*4汚染による生態系への影響が世界的な社会問題となるなか、カネカ生分解性ポリマーPHBH ® は海水中でも生分解する認証*5を取得、更に米国食品医薬品局*6(FDA)の食品接触物質*7(Food Contact Substance)に登録されました。今後、海洋資材や食品包装など幅広い用途への展開を進め、地球環境の保全と持続可能社会の実現に貢献してまいります。

  1. 1923年に設立さ、生物工学に関する研究の進歩普及と学術の発展を目的とする学会。日本学術会議協力学術研究団体のひとつ。
  2. 生物工学に関する工業の技術開発に顕著に貢献した者に授与する賞。
  3. 生ゴミなどの有機物を微生物の働きで分解させて堆肥にする処理方法、またはその堆肥のこと。
  4. 微細なプラスチックごみ(5㎜以下)のこと。含有/吸着する化学物質が食物連鎖に取り込まれ、生態系に及ぼす影響が懸念される。洗顔料、歯磨きなどに含まれるスクラブ等に利用されるマイクロビーズ、プラスチック製品が自然環境中で破砕、細分化され、5mm以下となったものが由来とされる。
  5. ベルギーに本部を置く、国際的な認証機関Vincotteより、2017年9月「OK Biodegradable MARINE」認証取得。Vincotteは2017年12月TÜV AUSTRIA Belgium NVに認証業務を引き継いだ。
  6. 食品や医薬品、さらに化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当り接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行うアメリカ合衆国の政府機関。
  7. 食品の製造、梱包、包装、輸送または保持するために使用される材料の成分として使用される物質であり、当該食品に対する実際の暴露量からリスク評価がなされ、使用上重大な影響を与えないとFDAが認定した製品。
以 上


第70回日本生物工学会大会初日の授賞式で撮影
(左から、木野邦器日本生物工学会長、受賞者を代表して松本圭司)