AI・デジタル技術が
生産現場革新の鍵を握る
MEMBERS

- T.Y.
- 信頼の生産力センター
生産DX技術開発担当
2011年入社
工学部 電気系工学専攻(情報)修了

- S.O.
- 信頼の生産力センター
生産DX推進担当
2011年キャリア入社
工学部 材料工学科卒
- 所属部署および掲載内容は取材当時のものです
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AI・デジタル領域のミッションと業務テーマは?
AI・デジタル技術の進化は非常にスピードが速く、カネカが持続的に競争力を維持・強化するには、最先端のAI・デジタル技術をいち早く取り入れて生産現場を変革することが不可欠な時代です。「信頼の生産力センター 生産DX・CNグループ」は、そうした課題に対応するため、先端AI・デジタル技術の技術開発から現場実装までを一気通貫で担っています。
競争力の維持・強化に加えて、昨今では人手不足が非常に深刻化しています。そのため、自動化や効率化への取り組みを従来よりも一段高いレベルで推進していくことが、事業継続の観点からも私たちの重要な役割になっています。

グループ内でもチームが分かれていて、私の所属する「生産DX技術開発チーム」では日進月歩の最新技術をいち早くキャッチアップしてカネカへ取り込む、いわば「研究開発~技術開発」を担い、S.O.さんの所属する「生産DX推進チーム」ではそれらの技術を活用して生産現場を実際に変えていく「実装」を担っています。とはいうものの、お互いに領域をまたぎながらコラボレーションして一緒に進めていることが多いですね。
それが特徴的だといえます。一般的にはまず研究開発を行い、その後にエンジニアリング部門が実際の現場に導入していくといった手順を踏みますが、そのやり方ではAI・デジタル技術に限っていえば進化スピードについていけない。だからカネカでは、研究開発から現場実装までを同時に進めていくような取り組みをしています。
そうした取り組みによって目指しているのが、「自律工場」の実現です。生産現場の自動化・高度化に加え、サプライチェーン管理業務やプラント保全業務の高度化を進めることにより、「自ら考えて動いてくれる」工場をつくるのが私たちのミッション。クルマの世界で進んでいる自動運転の工場版のようなイメージでしょうか。

そうですね、そして結果としてカネカ全体における、飛躍的な生産性向上や安全安心の確立、働き方の変革などに貢献していくということだと思います。ただ、現場には現場の考え方や事情があるので、そこはしっかりとコミュニケーションをとりながら、私たちAI・デジタルの専門部署と一緒に「より良い将来像」を描き、新しい技術活用を推進していく必要があります。そういう意味では、AI・デジタル技術を使いこなすDX人材の育成も重要な業務テーマといえますね。
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直近で手がけた開発&取り組み事例は?
まずは「生産計画最適化システム」が挙げられます。昨今、お客さまのニーズが多様化し、同時に製造方法もどんどん難しくなっているなかで、各工場の生産計画担当者は「ニーズへの対応」と「生産性の追求」の両方を実現するために、それこそ難解なパズルを組み立てるように複雑な生産計画を作成しています。これは作業負荷が高く、個人の技量にも大きく依存する作業だったので、AIを用いた計画最適化技術を自社開発して、ベテラン担当者が作成する以上に生産性が高い計画を自動立案する技術を研究・開発しました。
このシステムはすでにいくつかの工場に導入していて、一定以上の成果を得られることがわかったので、他の工場にも水平展開しているところです。本当に大変な作業だったのですが、現場の担当者には非常に喜んでもらっているので、こちらとしてもうれしいですね。加えて、今まで担当者たちが考えなかったような計画がシステム側からアウトプットとして出てくることがあり、そこから学びを得るという副次的な効果もあるようです。
外部の最適化専門ベンダーの手を借りず、自社で最先端技術を駆使し技術開発したシステムなので、コストを圧倒的に抑えつつスピーディに、国内・海外の多くの製造現場に多発的に展開を進めることができている点が特徴的です。
あとはシステムでいえば、カネカ独自の生産プロセスにおける「異常予兆検知システム」の開発も進めていますね。
はい。これはカネカ独自の生産設備を用いたプロセスであるがゆえに、AIで機械学習しようにもデータが少ないことが課題でした。そこで大学と連携して、少数のデータでも精度良く検知が可能な手法を新規開発しているところです。工場の24時間安定稼働を実現するための実践的なAI活用事例といえます。
これらのシステム開発では主に情報として「数値」を用いますが、「画像」情報を用いた技術の導入にも取り組んでいます。その一つが、画像解析技術による目視検査の自動化です。これまで、人が製品一つひとつをずっと目で見て品質確認していた作業を、AIが画像情報をもとに行ってくれるので、省人化という点でも、また働く環境の改善という観点からも、導入効果が大きい技術です。

こうした要素技術をすべて統合することによって実現しようとしているのが、プラント・デジタルツイン構想です。これは、プラントのエンジニアリングチェーンとサプライチェーンの両軸の情報を一元管理し、サイバー空間でプラントを再現するという考え方です。
そうですね。生産計画を立てて、原料を調達して受け入れて、それを設備に投入して、加工して、できた製品を入庫して出荷する、これら一連のサプライチェーンについて、人間では到底すべてを一人で担当できないわけですが、AI・デジタルを用いることにより、このサプライチェーン全体をトータルで見て最適化していこうというのが、このプラント・デジタルツインのねらいです。
デジタルツインという考え方自体は10年くらい前に登場したものですが、当時はまだ技術が追いついてなかったところもあり、活用範囲が限定的でした。
それが今はかなり技術が進んで、先ほど話に出た「生産計画最適化システム」や「異常予兆検知システム」など、T.Y.さんたちが開発したさまざまな技術を組み合わせて、そこに温度データや設計図面などのビッグデータを大量にインプットすることにより、クラウド上で複雑なシミュレーションができる環境が整ってきました。すでに数部署でのデータ入力はほぼ完了しているので、あとは実際に稼働させながら精度を上げていき、将来的にはサイバー空間でカネカのモノづくりを再現できるようにしたいと考えています。
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これからのビジョンは?
まずは、プラント・デジタルツインを海外工場も含めたグローバル全体で実現することですね。そうすれば、世界中の工場の情報をどこでも見ることができるようになります。今、当社の設備エンジニアは基本的には自分が所属している工場の設備だけを見ているわけですが、海外プラントがまるですぐそこにある工場のように運営できるデジタル環境が構築されれば、日本の優秀な設備エンジニアが国内にいながらにして、アメリカにある工場の設備の健全性を確認できます。エンジニアの活躍フィールドは飛躍的に広がることになります。
それは技術の横展開という意味でも、労働力減少への対策という意味でも、非常に有効だと思います。労働力減少や働く環境といった観点でいえば、私はヒューマノイドロボットの活用による生産現場の自動化はこれから必須のテーマになってくると考えています。カネカでは自動化を強力に推進しているものの、部品の組み立てや現場の点検など、工場にはまだまだ人に頼っている作業がたくさん残っています。これらを可能な限りロボットに任せることによって、少ない人数でも工場を安定稼働でき、かつ働く環境も良いという時代をつくっていきたいと思っています。

自動化は生産現場だけでなく、バックオフィスと呼ばれる営業・事務系スタッフ部門の分野でもぜひ取り組んでいきたいテーマです。これまでは、何か予期せぬトラブルが発生したときにどう対応するかというノウハウは、極めて属人的なものでありアルゴリズムに落とし込むことはできないとされていましたが、昨今の生成AI技術の進展により、それも可能なのではないかと言われ始めています。いわゆるAIエージェントと呼ばれる技術を用いて、人に頼らざるを得ないと思っていたバックオフィス業務を自動化することにより、人的リソースをより創造的な業務へシフトしていくことができるといいですね。
こうしてざっと挙げただけでも、必要となる要素技術は極めて広範囲にわたります。しかも、次々と新しい技術が出てきます。今はそれらの技術をいかにして成果につなげるかが問われる時代。これからは、ぜひそうした新しい技術に積極的にチャレンジして、自分で生産現場を変えていくんだという気概のある人をお待ちしています。私のチームでは、メンバーに「自分で課題を見つけてくる」というミッションを与えて現場へ行かせています。単に与えられた課題を解決するだけでなく、現場に入り込んで本質的な課題を見極め、自らテーマを設定して技術を生かすことができる人こそが、カネカで活躍できるAI・デジタル人材だと考えています。
そういう意味では、必ずしも情報工学分野の出身者であることは求めていませんね。実際に機械や電気、化学工学などさまざまなバックグラウンドを持つメンバーがいます。たとえば化学工学系の人であれば、「化学工学+先端AI・デジタル技術」という2軸の強みを生かして当部署で活躍することが可能です。

スタート時点での知識の有無よりも、むしろ自分で新しいものをどんどん積極的に学んでいく姿勢こそが重要だと思います。
あと、先ほどあったようにAI・デジタルの分野は非常に幅広く、専門性も深いので、チャレンジも一人でするのではなく仲間と一緒にチームで取り組むことになります。そのため、コミュニケーション力も重要なスキルといえます。
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カネカの魅力は?
カネカには化学、医療、食品、電子材料など多種多様な事業領域があり、それぞれの製品や生産プロセスが大きく異なるので、AI・デジタル人材として取り組む課題も非常に多様です。単一業種の企業では得られない経験ができ、自分のアイデアを生かせるチャンスが豊富にあることは、カネカの大きな魅力だと思います。
多様な「現場」を持っていることはぜひ伝えたいですね。カネカは本当に多彩なモノを製造していて、そうしたモノづくりの現場に最新のAI・デジタル技術を落とし込んでいくチャレンジは、実におもしろいものです。またそれが役に立っているところを間近で見ることができるので、やりがいも感じやすいです。この点は、システム会社との大きな違いといえるのではないでしょうか。
同感です。カネカはユーザー企業として、自社の製造現場から得られる豊富な現場データを保有していることが大きな強みです。特にAIやロボットといった分野では、これらのデータを活用して自らテーマを企画し、技術開発から現場への実装まで一貫して関われるため、技術者としての創造性と実行力を存分に発揮できます。さらに、一つの技術が複数の事業や現場に応用できる可能性も高く、技術の展開・発展を実感できる楽しさもあります。事業の枠を超えて自ら価値を生み出せるフィールドが広がっていることこそが、カネカでAI・デジタル人材として働く最大の魅力であり、他社にはないやりがいだと感じます。
そこには、カネカの持つカルチャーも関わっていると思います。今日いくつか紹介したシステムや技術はいずれも、汎用品を買ってきて導入したり、外部のシステム会社にすべてお任せして作ってもらったりするのではなく、カネカ自社で最先端のものを開発・実装するというチャレンジです。こうした「自分たちでつくる」というカネカのカルチャーがあるからこそ、超上流工程であるIT戦略立案から、先端技術の研究・開発、要件定義、システム設計、プログラミング、テスト、現場導入・運用保守までの全工程を経験でき、システム技術者としてのキャリアの幅を大きく広げることができると思います。
職場環境という点では、当チームには技術者一人ひとりの主体性とチャレンジ精神を尊重する風土が根づいていて、自由度の高い働き方ができるのが特徴です。「やりたい!」と手を挙げればチャレンジさせてくれる会社であり、私自身これまでそうして多くのことに挑戦してきて今に至るので、それは保証します。
さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが集まっている組織であることも特徴的です。情報工学系の出身者だけではなく、製造オペレーターや、情報系専門学校の卒業生、IT会社からの転職者など、本当に多彩なメンバーなので、職場でコミュニケーションをとるだけでも良い刺激が得られます。比較的若いメンバーも多いので、活気がある、とても良い雰囲気の中で仕事ができると思います。
まとめますと、カネカのAI・デジタル領域は、本当にさまざまな魅力に満ちています。現場を変えることで目の前の人に喜んでもらえる楽しさ、新しいことにどんどんチャレンジできる技術的なおもしろさなど、人によって必ず魅力となるやりがいを見出せると思います。「自分の技術で現場を変えたい!」「新しいことに挑戦したい!」という熱い思いを持つ皆さん、ぜひ私たちと一緒に、カネカの未来を創っていきましょう!
AI・デジタルの世界は日々進化していて、その技術を用いて会社やその先の社会を変えていくポテンシャルは無限大だといえます。そして、カネカはそれにチャレンジさせてくれる会社です。今日の私たちの話を読んで興味を持たれた方は、ぜひカネカで一緒に新しい技術にチャレンジしましょう!
