パン業界のInstagram
No.1アカウントを目指す!
MEMBERS

- H.A.
- 2018年入社
Foods&Agris Solutions Vehicle
営業(マーケティング)

- Y.S.
- 2022年入社
Foods&Agris Solutions Vehicle
営業(マーケティング)

- A.O.
- 2020年入社
カネカ食品(株)乳製品営業部
営業(マーケティング)
- 所属部署および掲載内容は取材当時のものです
OUTLINE
カネカにとって初の試みとなる公式のSNSアカウント「パン好きの牛乳® Instagram」。カネカが提供するBtoC乳製品「パン好きシリーズ」のプロモーションの一環で、全国のベーカリーさまのご紹介をするアカウントとして、パン好きユーザーから多くの支持を得ています。目下の目標は、このアカウントを「パン業界のInstagram No.1アカウント」に育てること。その達成に向けて多彩な施策を展開するマーケッターたちが、取り組みの実際とそれにかける思いを語ります。
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「ベーカリー業界を盛り上げる」というミッション。

パン好きの牛乳® Instagramも、こうして採用サイトで取り上げられるまでになったとは、非常に感慨深いね。

ホントにそう思います!

特にH.A.さんの場合は「パン好きシリーズ」に強い思い入れがあるから…。

確かに。私は乳製品事業の販売・マーケティング部門のチームリーダーを務めていますが、「パン好きシリーズ」は、カネカが2018年に乳製品事業に参入して以降、初めて誕生した商品。カネカの食品事業の主軸は、ベーカリー業界向けのマーガリンやショートニング、ホイップクリームなどの製品で、そのBtoBビジネスで長年にわたりお世話になってきたベーカリー業界に何か恩返しできないか、という思いから生まれたのが「パン好きシリーズ」です。だから、「この商品を通じてベーカリー業界を少しでも盛り上げたい」という私たちの強い思いがこの商品には詰まっています。


そもそもの出発点がそこなので、パン好きの牛乳® Instagramの運用においても、「いかにベーカリー業界を盛り上げるか」がコンセプトになっています。

なぜInstagramなのか?ということについては、ベーカリー業界を盛り上げるために、まず「パン好きの生活者」と「パン屋さん」をつなげたいという思いがあった。それには、直接つながる場を提供してくれるSNS、なかでも写真でビジュアライズに訴求できるInstagramが最適だろうという考えで、始まった話。

でも当時、カネカではSNSの公式アカウントを一つも持っていませんでした。

それで最初の立ち上げに時間がかかってしまった。SNSで情報提供するのはいいけれど、誰がどうやってその内容を精査するのかという社内ルートの構築から始めて、2020年の秋にようやく運用体制が整った。そして、いろいろなパン屋さんを紹介していくという主旨で、投稿をスタートしました。当時、投稿を担当してくれたのが、A.O.さん。

当初は、パン屋さん自身に自店のInstagramアカウントで、パンとパン好きシリーズを一緒に撮影した写真を投稿していただき、パン好きの牛乳® Instagramは、その投稿をリポストするかたちでスタートしました。当社・カネカ食品は、マーガリンなどのBtoB商品の営業活動を展開している関係で、全国のパン屋さんをお客さまに持っています。そこで、営業担当者にパン屋さんとの窓口になってもらい、投稿協力をお願いしてもらいました。


いろいろ苦労していたね。

はい。まずはパン屋さんに投稿していただかないとこちらはリポストできないのですが、先方も日々の店舗運営に忙しく、なかなか計画していたスケジュール通りに投稿していただけなくて。かといって督促もやりづらく…。

A.O.さん自らお店に足を運んでなかった?

「こういう感じで写真を撮ってください」とお伝えしてもなかなかうまくいかなかったので、お店によっては実際に訪問して一緒に撮影したりしていました。

そうやって苦労して運用していたわけですが、そのわりにフォロワー数が伸びない。投稿もリポストだと、内容にしてもタイミングにしても、自分たちでコントロールできないところが多く、訴求力に欠けていた。このままでは、情報の届く先も限られているし、パン屋さん各店の魅力も伝えきれないと考え、それらの課題を解決するため、「パン業界のInstagram No.1アカウントを目指す」という大きな目標を打ち立てて、運用の見直しを検討し始めました。それが2022年の春頃かな。
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公式アカウント独自の情報発信をスタート。

まず変えたのは、リポストという投稿スタイル。パン好きの牛乳® Instagramが主体となって投稿していくほうが、内容にもこだわれるし、消費者に響く情報を発信できると考えました。

それで、パン好きの牛乳® Instagramが全国のパン屋さんを紹介していくという投稿スタイルに切り替えました。営業担当者に協力してもらいながら、私も一緒にパン屋さんを訪ねて取材撮影を行い、写真をセレクトして紹介文を作ってといった編集作業をやり始めました。

ちょうどその頃にY.S.さんが新入社員としてチームに配属されてきたので、パン好きの牛乳® Instagramの企画・運用を担当してもらうことにしました。フレッシュな感覚でいろいろとチャレンジしてくれるんじゃないかと。


私は入社前からパン好きシリーズを知っていて、パン好きの牛乳® Instagramもフォローしていたので、そのアカウントの運用を自分が担当できると聞いてうれしかったのを覚えています。「よし、頑張るぞ!」という気持ちで取り組み始めました。

まさに適任!

ただ最初は実務面でけっこう苦労をしました。それまでのリポストと違って、パン好きの牛乳® Instagramからの情報発信となると、発信内容に責任を持つことになるため、細かいところまで内容を精査する必要が出てきます。投稿前に社内で審査を受けるのですが、「濃厚」や「最高の味わい」といった表現は、過度になりすぎてしまう場合は使えなかったり、A.O.さんや営業担当者が取材を通してせっかく拾ってくれたパン屋さんの生の声も、根拠が不足する場合には使用が叶わなかったりしたこともありました。

そうした制限があるなかで、どうやって消費者に響く内容にするか? そこが最初の壁でしたね。

はい。内容もそうですし、いろいろ指摘を受けたことへの対応として、パン屋さんとの窓口になってくれているA.O.さんや営業担当者とも連携して調整を図っていかないといけないので、そうしたやりとりをふまえてのスケジュール管理も大変でした。


あとは、お店の繁忙期になるとパン屋さんもなかなか時間がとれなくなるので、取材先を探すのにも苦労しましたね。

最前線のA.O.さんたちには苦労をおかけしてしまいましたが、そうやってベーカリー紹介をしていくなかで、パン屋さんがコメントをしてくださったり、それに対してフォロワーの方もコメントをされたりと、もともとあった「パン好きの生活者とパン屋さんをつなげたい」という私たちの思いが、かたちになっているという手応えは感じていました。

それが運用していくうえでの支えになっていましたね。でも、フォロワー数は思うようには伸びていかなかった…。

はい。それで「パン業界のInstagram No.1アカウント」という目標を達成するには何か別の手を打つ必要があると考え、「フォロー&いいねキャンペーン」を企画しました。あわせて、キャンペーンとなるとできるだけ広く訴えかけていく必要があるので、フォロワーさん以外のユーザーにもリーチしやすいリール動画の投稿を活用することにしました。

動画の制作も自分たちでしていましたね。

完全に手作りでした。パンや備品を買ってきて、スマートフォンで撮影して、それを編集して秒数や文字サイズを調整して…。慣れない作業でいろいろと試行錯誤して制作したにも関わらず、再生数は期待したほど伸びませんでした。こうして、私の高いモチベーションとは裏腹に、思うような成果が出せないまま入社1年目は過ぎていきました。
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次のステップに上がるための、3つの手。

2023年4月、パン好きの牛乳® Instagramのアカウントを運用し始めて4年目。カネカ初のSNSアカウントとしてこれまで手探りで試行錯誤をするなかで、わかってきたことや見えてきたこともあり、いよいよ次はそれをどう生かすかというフェーズに入ってきた。

大きくは3つ、手を打ちました。まず、投稿コンテンツをベーカリー紹介のみに絞ることにしました。それまでは、販促的なねらいもあって「パン好きシリーズに合うパン」といった投稿もしていたのですが、そうしたPR色の強い投稿は反応が薄く、ユーザーの支持が得られないということがわかってきました。また、ベーカリー紹介自体はInstagramでもわりとアクティブなコンテンツなのですが、全国に営業担当者がいるカネカ食品のネットワークを生かせば、全国のパン屋さんを紹介できるので、これは大きな強みになりコンテンツの差別化も可能だと考えました。


カネカだからこその展開ですね。

ただ一方で、撮影者によって写真のクオリティに差があるとともに、パンの写真だけではどのエリアのパン屋さんかパッと見ではわからないという課題感がありました。そこでクリエイティブデザインを入れ、投稿画像の1枚目にベーカリー所在地を明記するかたちでデザイン統一を図りました。すると、多少クオリティにばらつきのある写真でも統一感が感じられ、かつエリア訴求力も向上してユーザーに響きやすくなりました。

あのデザインに変わってから、「旅行に行ったときにぜひ行きたい」や「近くのお店だから行ってみる」といったリアルなコメントが付くようになって、実際にちゃんとユーザーに届いているんだなという実感が持てました。

同感です! やりがいを感じましたよね。この改善策はちゃんと成果にもつながり、改善前と比べ、プロフィールの閲覧人数に対するフォロー率が、約2倍になりました。


すばらしい。SNSのプロモーションでは、結果がすぐに数字に表れるからやりがいがありますね。

そうなんです。そして、さらに成果を上げるべく取り組んだのが、ベーカリー紹介にリール動画を活用すること。リール動画ならフォロワー外にリーチしやすいため、新たなパン好きフォロワーを呼び込めると考えました。

以前のキャンペーン案内動画のときとは違って、今度はプロによる取材撮影。東京都内限定ですが、紹介するパン屋さんにしっかりアポイントをとって、プロの撮影スタッフさんと一緒に訪問して動画撮影を行いました。

ここでもA.O.さんたちにはスケジュール調整で負担をかけましたね。

パン屋さんと撮影スタッフさんの都合がなかなか合わなくて…。ただ、パン屋さんにとっては、自店のアカウントよりもずっとフォロワー数の多いパン好きの牛乳® Instagramで紹介されることが認知度アップにつながるので、みなさん喜んで協力してくださいました。

ありがたい限りですね。
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パン好きの牛乳® Instagramだからこそできること。

投稿コンテンツのベーカリー紹介一本化、クリエイティブデザインの統一、リール動画の活用という3つの手を打ってフォロワー数も伸びてはきましたが、目標としている「パン業界のInstagram No.1アカウント」とはまだ乖離があったので、続いて人気キャラクターとのコラボキャンペーンを実施しました。


サンリオさんの「シナモロール」ですね。これはもともと、パン好きシリーズのブランドマネージャーが、商品のメインターゲットが女性であることから、女性に人気で、かつパンと親和性の高いキャラクターとしてシナモロールに着目し、まずはパッケージでのコラボレーションを進めたというのが話の発端。加えて、Y.S.さん自身がシナモロールのファンだったこともあって、パン好きの牛乳® Instagramでもキャンペーンを展開しようという話になった(笑)

あ、そうだったんですね!

純粋にビジネス的な観点からです!ファンなので乗り気だったことは確かですが(笑)

まあそれはともかく、パン好きシリーズの課題はとにかくトライアル数を増やすことで、一度飲んでもらえればリピートにつながるという商品力への自信があったので、シナモロールの力をお借りしてトライアル数向上を図ったわけです。

それでパン好きの牛乳® Instagramでは、Instagram限定のブランケットを特別に製作して、それを景品とするキャンペーンを実施しました。ところが、その反応がいまいちで…。

こんなにカワイイのに!

のに、です。で急遽、「シナモロールパッケージのパン好きシリーズ」という商品そのもののキャンペーンを追加したところ、それが当たって最終的にキャンペーン全体で約1.6万人の新規フォロワーを獲得することができました。


そして2023年度終わり時点のフォロワー数では、約4万人を達成。これは、パン分野のインフルエンサーや製パンメーカーなど、パンに関するInstagramアカウントの中で最大規模のフォロワー数になります。

そこまで成長させることができてうれしく思っています。フォロワー数もさることながら、コメント欄でフォロワーさんとパン屋さんがコミュニケーションをとっているのを見て、「パン好きの生活者とパン屋さんをつなげる」というミッションも果たせているのかなと感じています。

パン屋さんとの窓口を務める担当からすると、一番うれしかったのは、紹介したパン屋さんの売上が伸びたこと。もちろんパン好きの牛乳® Instagramでの紹介だけが要因ではないと思いますが、投稿前と投稿後を比較すると、平均で111%売上が伸びたという結果が出ています。「ベーカリー業界を盛り上げたい」という当初の思いも実現できているのではないでしょうか。

そうですね。加えてこれから大切になるのは、ここまで増えたフォロワーさんたちをいかに楽しませるコンテンツをお届けできるか。それも、普通の飲料とは明らかに異なる「パンをよりおいしくする、パンを引き立てる」というコンセプトのパン好きシリーズだからこそ可能なやり方で。

あくまでもパンとセットでの訴求ですね。振り返ってみると、私はパン好きシリーズのCMを見たのがきっかけでカネカに入社したので、この商品に人生を変えられたというところもあって、やはり思い入れが強いんです。だから、「パンをよりおいしくする」というこの商品最大の魅力をもっとたくさんの人に知ってもらい、もっと愛される商品になってくれたら、うれしいなと思います。

私はもともとパンが好きで、パンと牛乳の組み合わせでよく食事をしていましたが、パン好きシリーズを初めて飲んだとき、パンとの相性の良さに驚いてしまって、それ以来もうパンを食べるときにはこれ一択になってしまいました。それくらい好きで、友人にもオススメできる商品のプロモーションに携われるのは本当に幸せなことなので、これからも精一杯頑張って取り組んでいこうと思います。


そこまでほめてもらった後に言うのも何ですが(笑)、私はこの商品を開発したメンバーでもあり、私にとってはパン好きシリーズはある意味で子どもと同じなんです。だから、「人生を変えられた」「友人にもオススメできる」と言ってもらえて、とてもうれしい。これからは、愛してやまないこの商品を「パンを食べるときはこれ」という定番の飲料にしていきたい。その実現に向け、パン好きの牛乳® Instagramは大きな役割を果たしていってくれるにちがいないと思っています。