カネカ 新製品「定温輸送パッケージTACPack®Premium」を販売開始

—真空断熱材を採用し定温保持時間を大幅に延長—

株式会社カネカ IR・広報部
2020年4月14日

 株式会社カネカ(本社:東京都港区、社長:田中 稔)のグループ会社である玉井化成株式会社(本社:北海道小樽市、社長:佐藤 圭司)は、真空断熱材*1(Vacuum Insulation Panel 以下、VIP)を採用し、定温保持時間を約2倍に延ばした新製品「定温輸送パッケージTACPack®Premiumシリーズ(以下、TACPack®Premium)」を4月から販売開始いたします。

 2018年に国内版GDPガイドライン*2が制定され、医薬品の輸送時の温度管理が厳格化されています。発泡ポリスチレン系断熱容器を用いた製品では、夏期の冷蔵温度帯の保持時間に限度があり、長時間輸送に対応できないといった課題がありました。TACPack®Premiumは、シリカ粉体系VIP*3と、「カネカ潜熱蓄熱材 PATTHERMO®*4」を組み合わせることでパッケージ内部の温度を長時間保持し、従来品と比較して、定温保持時間を約2倍に延長させました。

 現在、新たな潜熱蓄熱材の開発も進めており、引き続きTACPack®Premiumのラインアップを拡充し市場開拓を加速させてまいります。今後も当社は、温度管理ソリューションの提供を通じて、医療や生活の質の向上に貢献してまいります。

以 上

  1. 断熱材の周囲を真空状態にし、気体による熱伝導を限りなくゼロに近づけることで断熱性能を高める真空技術を利用した断熱材。
  2. Good Distribution Practiceの略称。主に医薬品の流通における品質確保と偽造薬の流入防止を目的に、適切な管理方法を定めたガイドライン。2018年12月末に厚生労働省から発行。
  3. 国内で主流となっているグラスウール系真空断熱材と比較すると、重量が軽く内部圧力の上昇による熱伝導率性能の劣化が抑えられる。
  4. 物質が固体、液体、気体のように状態が変化することを相変化といい、潜熱蓄熱材は、相変化時に物質の温度が融解温度、凝固温度近くに維持される特長を利用している。PATTHERMO®は当社と玉井化成が共同開発した潜熱蓄熱材であり、-50℃~+37℃の範囲で15種類の製品をラインアップしている。

「定温輸送パッケージ TACPack®Premiumシリーズ」について

製造販売
玉井化成株式会社
容器内温度
「2-8℃」「-40℃以下」(4月から販売開始)
「-60℃以下」「1-5℃」「15-25℃」(今後上市予定)
シリカ粉体系VIP

<玉井化成株式会社の概要>

本社
北海道小樽市
事業内容
発泡スチロール樹脂の成型・加工、蓄熱材の製造販売、定温輸送パッケージTACPack®の製造販売
代表取締役社長
佐藤 圭司
株主
株式会社カネカ100%出資