時代認識

毎日のように新聞、テレビなどで報道されているように、デジタルトランスフォーメーション(DX)・データイズムに代表される技術革新を反映して、社会の変容や事業環境の変化は想像以上のスピードで進行しています。

昨年平成より令和に元号が変更になりましたが、このような短期間における劇的な変化を眼の前にすると、令和元年が既に22世紀未来社会の幕開けではないか、と感じるほどです。

一方、エネルギー、資源、食糧問題などサステナブル社会の実現に向けた取り組みが地球規模で加速し、足下でもマイクロプラスチック問題、二酸化炭素削減への取り組みなど環境保全に対する意識、関心が世界的に急速に高まっています。

かかる状況のなかでOld Economyにおいては、従来の素材、ソリューションの一部がもはや時代遅れとなり、競争力を喪失し、New Economyに乗り移れない企業は退場を迫られる状況にあります。

当社のPurpose (存在意義)

カネカは何のためにあるのか、Purposeは何か、レゾンデートル(存在意義)を定義することから、もう一度スタートしてみたいと思います。

企業が生き残るためには、変革のスピードを上げ、新規事業の社会実装を急ぎ、非連続の成長を実現すること以外には道はないという危機感があります。Old Economyでは、課題を解決することにより経済活動が成立しましたが、New Economyにおいては課題解決ではなく、むしろ来るべき社会の変容を想定するなかで新しい社会的課題を発見し、それに対してソリューションを提案する力が企業に求められていると考えています。

当社の存在意義は、「技術革新とグローバル展開を通して、革新的な素材開発によるソリューションを提供することにより、社会的課題を解決し、サステナブルな社会の実現に貢献する」と定義しています。

当社の強みである「画期的な製品を継続的に生み出してきた高い技術開発力」と「高い技術力をベースとしたグローバル展開」をベースに、今後求められる社会的ニーズを特定し、ソリューションを提案することにより社会的課題を解決していきます。

Purposeを実現する経営戦略

ESG経営を実践し、世界を健康にする「健康経営-Wellness First」を目指します。

  • 当社は世界のクライシスに対して貢献できる分野を「環境・エネルギー」「食糧」「健康」に重点分野を定めました。
  • 基盤事業でキャッシュを確保できる施策を取り、得られたものを新しい事業に向かう研究開発や資源投入に活用し、ポートフォリオの変革を実現します。

ポートフォリオ変革の課題(実現スピードをアップさせる)

Earthology Chemical Solution
〈化学素材の無限の可能性を引き出し、持続可能型社会を支え、地球環境と生活の革新に貢献します〉

PHBH、太陽電池の大型新規事業は、社会実装に向け大きく動きはじめ、今後大型新規事業化を目指します。

  • Vinyls and Chlor-Alkali SV、Performance Polymers(MOD) SV、Performance Polymers(MS) SVの基盤事業は収益力を強化し、Foam & Residential Techs SVは収益力を強化しながら自動車などの世の中の軽量化ニーズに対応した製品群のラインナップを急ぎます。
    Performance Fibers SVは高収益事業としていきます。
  • E & I Technology SVは急速に変化していく自動車、住宅、医療、情報通信インフラなどのスマート化、デバイスの高機能化などによる生活のクオリティ向上を支えるソリューションを提供することに注力していきます。

Active Human Life Solution
〈化学を軸に、食と医療を一つにとらえ、人々に健康で活力のある人生をもたらす革新的なソリューションを提供します〉

  • Foods & Agris SVは構造改革のスピードアップを図り、社会実装化した乳製品など新規事業の本格事業化、サプリメントとの協業によるNutrition価値を追求した製品の創出を通してNew Economyとして新しい事業に変革していきます。
  • Medical Devices SVはグローバルに市場拡大を図り、高収益化を実現します。再生細胞医療の社会実装化を急ぎます。
  • Pharma & Supplemental Nutrition SVはAPIのグローバル市場において拡販し、カネカユーロジェンテックを中心としたバイオ医薬の成長を実現します。

経営基盤の強化 (非連続の成長をスピードアップするための施策)

経営システムのTransformationが、経営が取り組んでいる大きなテーマですが、新規事業の社会実装化が大きく進み、大量に試してうまくいったものを残すという効果が出てきています。社会の劇的な変化に対応し、変革と成長を実現するために社員全員に向けて、「Change with Purpose, Grow with Result」という言葉で、ポートフォリオの変革を急ごうと言っております。このことは、

  • あるべき姿からBackcastingして今すべきことにフォーカスする。
  • 仲間全員が勝つことを信じ(Confidence)、詳細なゲームプランを練る(Strategy)、そしてつながる仲間がスクラムを組み(One Team)、高い目標に果敢に挑戦し、飛躍の大きなモメンタム(勢い)をつくる。

ことが大切であると考えているからです。

写真:代表取締役会長 菅原 公一

カネカタワー

  • 当社の経営モデルの基本構造であり、当社の創業以来の持つ強み(DNA)を活かし、「事業構築力(内なる力)」と「市場開発力(外なるPower)」を進化させ、「現場力」がその実行を支え、常に時代の変化に応じて経営革新を自律的に行えるようにします。
  • 自治機能を高める2つのWork Shop(変革と成長のトライアングル、カネカ1on1)を通して現場をInspireします。

経営システムTransformationのトリプルPackage

これは、変革と成長を実現するための、ビジネス思考のプラットフォームです。経営のソフトウェアとハードウェアをドッキングすることにより、実効性を上げます。

変革と成長のトライアングル

時代認識/仕掛け/成果のトライアングルは、経営計画のなかで、どのように目標を設定し、技術革新を含めた達成のための仕掛けを整え、スケール・スピードを意識したうえで、いったい何を成果として位置付けるのか。経営計画の骨格そのものとなります。

R&B体制への変革

  • 昨年からR&B本部を立ち上げ、R&DからR&Bへの変革を進めています。Research & Business、当社のResearchの目的は、社会の課題解決を実現するSolutionを届けることを通して大きなBusinessを創出することです。そのために必要なBreak Through Technologyを獲得することに注力しています。

そのためには、

  • 新規事業の社会実装化のスピードアップを図ります。
  • 研究テーマ(難易度/スピード)をクラスター化し、各大小クラスターが葡萄の房のように、さまざまな形の成果を生み出すことにより、R&Bの生産性を大きく向上させていきます。
  • 先端技術を取り込みながら、自社の技術と組み合わせ、ライフサイエンス、エレクトロニクス分野への資源配分を強化し、スピード・スケールあるテーマを推進し、新製品の売上高を拡大していきます。

Work Cultureの変革・カネカ1on1

  • 「Human Driven Company」こそ当社の経営思想の背骨であり、仕事を通じて人の成長を企図する「Work Shop」を制度化したものが「カネカ1on1」です。「カネカタワー」においても、経営革新力を支える「実験カンパニー」の背骨であります。
  • 新しい時代に適合する業務のリデザインとWork Cultureの変革を急ぎ、デジタルツールの活用によりオペレーションの徹底的効率化を図り、生産性の高い組織・人づくりを行います。
  • IoT、ロボティクスを活用した自動化、省人化などの生産革新を推進し、Human Driven Company、アルゴリズムと人間力が共鳴する共同体を創り、モノづくりの競争力を向上させていきます。

コーポレートガバナンスの充実

当社は、社員一人ひとりの心と体の健康と、企業活動や姿勢が健全であるという「健康経営」に取り組んでいます。重要なことは、経営があるべき社会に熟慮し、姿勢を正して行動する企業統治力、コーポレートガバナンスの強化です。

パラダイムチェンジが進み、事業が拡大するなか、執行機能の強化が課題になります。イノベーションを行動の羅針盤“Scope of compass”にして未知を開くESG経営・健康経営を組織(現場)に定着させます。そのためには、各執行機能が全体知(Perspective)を反映させながら、現場を観察し、チョークポイントを発見する執行機能の強化に取り組んでまいります。

自己変革を続け、経営目標を実現する体制づくり、コーポレートガバナンスの一層の充実を図ることが重要と考えています。

我々が目指すのは、いわば「連邦国家的なGovernance」の実現であります。

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