「不凍タンパク質」の開発で文部科学大臣表彰を受賞

株式会社カネカ CSR推進部広報室
2015/04/17
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)と、関西大学、有限会社ビック・ワールドが共同で開発した、冷凍食品の品質保持に効果を発揮する「不凍タンパク質」が「平成27年度 文部科学大臣表彰(開発部門)」を受賞しました。本賞は、社会経済、国民生活の発展向上などに寄与し、実際に利用・活用されている(今後利用・活用が期待されるものを含む)画期的な研究開発もしくは発明を行った者の功績をたたえる賞です。

 (参考)文部科学大臣表彰ウェブサイト

授賞式は2015年4月15日、文部科学省にて行われました。


(写真:左より、寶川、河原、福岡の各氏)

当社は、2012年3月よりカイワレ大根から抽出した「カネカ不凍タンパク質」を麺、米飯、卵焼きなどの各種冷凍食品向けに販売を開始しています。

(参考)「カネカ不凍タンパク質」ウェブサイト

1.受賞内容
 (1)受賞名: 平成27年度 文部科学大臣表彰 科学技術部門(開発部門)
 (2)受賞件名: 革新的冷凍食品品質保持剤 不凍タンパク質含有エキスの開発
 (3)受賞者:  河原 秀久 関西大学 化学生命工学部 教授
         福岡 譲一 有限会社ビック・ワールド 代表取締役
         寳川 厚司 株式会社カネカ 食品事業部 新規事業企画グループ 幹部職

2.開発の内容
本開発では、わずかな使用量で、冷凍食品の品質を保持できる天然由来素材を開発、実用化することを目指し、冷凍食品の品質低下の原因である氷再結晶化(冷凍時の氷の巨大化)を抑制する不凍タンパク質(Antifreeze Protein:AFP)の実用化に向けた開発を行いました。AFPは魚や昆虫、微生物などの多くの生物種から発見されていますが、工業的に安定にAFPを生産することはできませんでした。受賞者らは、この問題を解決するためにAFPをカイワレ大根より見出し、AFP含有エキスの製造方法を確立しました。さらに、そのAFPの品質管理法を確立し、冷凍食品品質保持剤としての利用することを実現いたしました。

3.開発した「カネカ不凍タンパク質」の特長・効果
本開発により、実用化された不凍タンパク質を含有するエキスは、食品に微量添加するだけで、冷凍食品の風味や食感を損なうことなく品質を向上させることができます。本成果は、品質改善とともに、これまで冷凍できなかった加工食品においても冷凍保存を可能にし、さまざまな既存の冷凍加工食品の品質やおいしさの向上に大きく寄与しています。

<有限会社ビック・ワールド>
 代表者: 代表取締役 福岡 譲一
 資本金: 300万円
 本社: 兵庫県姫路市香寺町矢田部689-1
 設立: 2003年
 事業内容: 野菜からの機能性エキスの抽出

以 上