カネカ 新型コロナウイルス感染症に対する治療薬開発を加速

株式会社カネカ IR・広報部
2020年6月22日

 株式会社カネカ(本社:東京都港区、社長:田中 稔)と国立感染症研究所は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療用ウイルス中和抗体の開発」を共同で進めてまいりました。今回、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)*1の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発」の採択を受け、開発を加速してまいります。

 現在、世界中でCOVID-19に対する医薬品として、治療薬やワクチンの開発が急速に進められています。当社は、東京理科大学と共同で開発した体外免疫法*2を用いることによって、新型コロナウイルス及びその変異型に対する抗体医薬品を開発する計画です。当社は製薬企業と共同で2021年度中に臨床試験の開始を目指して参ります。

 当社はCOVID-19に対しアビガン®錠の原薬生産、またカネカユーロジェンテック社(ベルギー)ではベルギー政府の要請によりPCR検査試薬の製造供給を強化しています。さらにワクチンとして早期実用化が期待されているmRNA*3やプラスミドDNA*4の製造体制を既に整えています。

 当社はこれからも革新技術を駆使して感染症に対抗するための多面的なソリューションを提供して参ります。

以 上

  1. 内閣府所管の国立研究開発法人。国が定める戦略に基づいて、医療分野の研究開発およびその環境整備の実施・助成を行う。
  2. 生体内で抗体がつくられる免疫反応の一部を試験管内で再現した技術。特定の抗原に対して親和性を有する抗体産生B細胞を培養・濃縮することにより、目的の抗体を効率よく作製できる。この技術を用いることによりCOVID-19患者血液中から種々のウイルス変異体にも効果を示す抗体が開発できる。なお、本技術開発の一部は、AMEDの課題番号JP16im0110422の支援を受けて行われた。
  3. DNAからタンパク質合成の遺伝情報を写し取り伝えるRNA分子。ワクチンや治療薬への応用が期待されている。
  4. 大腸菌などの細菌や酵母の核外に存在し、細胞分裂によって娘細胞へ引き継がれる環状DNA分子の総称。近年では遺伝子医薬やワクチンへ応用されている。