中高齢女性における、日常身体活動量及び精神的健康度に対する還元型コエンザイムQ10の効果について

早稲田大学及び筑波大学との共同研究で確認

株式会社カネカ 広報室
2011/02/01
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、早稲田大学スポーツ科学学術院清水和弘助手(筑波大学大学院人間総合科学研究科研究員兼務)と共同で、還元型コエンザイムQ10(以下、還元型CoQ10)に、中高齢女性の日常身体活動量及び精神的健康度を高める効果があることを確認しました。この結果は、昨年11月6−7日につくば国際会議場にて開催された「日本臨床スポーツ医学会第21回学術集会」において発表されました。
当社は、東京女子医大との共同研究で、還元型CoQ10を6ヶ月間摂取することで高齢者の疲労感と憂鬱感が軽減することを2008年に報告していますが、今回の研究は、より客観性を高めるためにプラセボ(偽薬)を用いて行われました。
健康な中高齢女性46名(平均年齢63.7±1.7歳)を対象とし、無作為に還元型CoQ10摂取群(23名)及び還元型CoQ10を含まないプラセボ摂取群(23名)に分け、還元型CoQ10(150mg)もしくはプラセボを8週間継続して毎日摂取してもらいました。摂取前及び摂取8週間後において、簡易型活動測定器を用いて1日当たりの歩数及びエネルギー消費量を2週間継続して測定しました。さらにSF-36*調査用紙を用いて自覚的な身体的及び精神的健康度を測定しました。
*SF-36(MOS 36-item Short Form Health Survey)は、健康関連QOLを測定するための科学的で信頼性・妥当性を持つ尺度です。健康関連QOLは、「身体的な側面」と「精神的な側面」の2つの健康側面を評価しています。SF-36は、米国で作成され、現在120カ国以上に翻訳されて国際的に広く使用されています。

結果として、日常身体活動量を示す歩数及び精神的な健康度を示すスコアに関して、摂取前と比較して、還元型CoQ10摂取8週間後では、それぞれ22%、10%の増加がみられ、有意な改善が認められました。一方で、身体的な健康度については変化が認められませんでしたが、活動量が高まったことにより長期的には身体的な健康度も改善すると考えられます。高齢者の精神的な健康度の改善(疲労感、憂うつ感の低減など)と自発的な運動の増加は、ヘルパーなど高齢者に関わる方々の負担の軽減にも繋がることが期待されます。

CoQ10には酸化型と還元型がありますが、体内では大部分が還元型として存在し、エネルギー産生賦活や抗酸化作用など、細胞が正常に機能するうえで必須の作用を発揮していると考えられます。従来からの酸化型が機能を発揮するためには、体内で還元型に変換される必要がありますが、最近の研究では、体内での変換力は加齢や病気等によって低下することがわかってきています。当社が世界に先駆けて開発した還元型CoQ10は、体内で変換の必要がなく、酸化型よりも幅広く優れた生理活性を発揮することが期待されています。
今後も、健康増進及びQOLの改善に貢献できる次世代型CoQ10として、還元型CoQ10の有用性に関する研究を進め、市場での更なる認知拡大を図ってまいります。

 

 

以 上