「冷え性」に対する甘草抽出物グラボノイドの改善効果について

滋賀県立大学との共同研究で効果を確認

株式会社カネカ 広報室
2011/06/28
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、滋賀県立大学人間文化学部生活栄養学科の灘本知憲教授と共同で、甘草抽出物グラボノイド(以下、グラボノイド)*に「冷え性」に対する改善効果があることを確認しました。この結果は、本年5月27日—29日に国立京都国際会館にて開催された「第11回日本抗加齢医学会総会」において発表されました。

今回の試験は、「冷え性」の女子学生9名にグラボノイド(600mg)又はグラボノイドを含まないプラセボを単回投与し、その2時間30分後から4時間後における、軽度低温環境下での体表面の温度及び体感の変化を観察しました。
その結果、グラボノイドを投与したときの額、首、腹部、背中の平均皮膚表面温度は、プラセボ投与に比べて、それぞれ0.05℃、0.09℃、0.28℃、0.10℃高く、腹部では統計的に有意に高い値が観察されました。ただ、手指先や足指先の体表温度では、両投与の間で有意な差は観察されませんでした。
この結果から、グラボノイド投与による本作用は、抹消血管の拡張ではなく、脂肪代謝を活発化させることにより熱生産が高まったと推定され、今後更なる検討を進めていきます。また質問票による体感調査でも、グラボノイド投与により全身の冷え感の抑制が認められたことから、グラボノイドの摂取が「冷え性」の改善に有効である可能性が示唆されました。

* グラボノイドは食品用などに幅広く使用されている植物由来ポリフェノールを主成分とし、特に中高年齢層向けに開発した機能性食品素材です。ヒト試験において内臓脂肪を含む脂肪の低減及びLDLコレステロールの低減が認められ、現在、米国と国内で販売されています。その作用機序は脂肪酸分解の促進と脂肪酸合成の抑制であり、グラボノイドの連続摂取によるメタボリックシンドロームの予防及び改善が期待されています。

 

以 上