金属を直接蒸着可能なアクリルフィルムを開発

各種成形加工に適し、深絞り加工も可能

株式会社カネカ 広報室
2011/07/26
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:菅原公一)は、当社が培ってきた耐候性PMMA系フィルム(商品名:サンデュレン*1)の技術をベースに、樹脂組成に改質を加え、前工程なしに金属を直接蒸着させることが可能なアクリルフィルムを開発した。アルミ、錫、インジウムなどの金属を直接蒸着させたアクリルフィルムを、本年7月よりサンプルワークを開始し、10月よりの本格販売を目指す。

従来のアクリルフィルムは金属との密着性が悪く、金属蒸着させる際にはプライマー処理などの前工程が必要であった。当商品は、耐候性・透明性・柔軟性・耐折曲げ性・印刷適性に優れるなどサンデュレンが従来から持つ特性を損なうことなく、金属を直接蒸着させることが可能で、300%以上の深絞り成形*2にも十分に対応できる。この特性を生かし、環境問題が課題となっている金属メッキや深絞り成形が困難な金属蒸着PETフィルムの置き換えをターゲットに、自動車内外装・携帯電話・パソコン筐体や屋内外の立体看板の保護・加飾用途を中心に展開し、2015(平成27)年には20億円の売上げを目指す。

*1柔軟性に乏しいPMMA系樹脂をカネカ独自の樹脂設計と加工技術により、日本で初めてフィルム化した、長期耐候性・透明性・真空成形加工性に優れたアクリル系樹脂フィルム。

*2材料をパンチと呼ばれる凸型とダイス(凹型)の間に挟んでプレスし、深い形状を得る加工法のこと。

 

以 上