タッチパネル向けITO導電フィルムを開発

スマートフォン向けに新規素材を投入

株式会社カネカ 広報室
2011/11/02
株式会社カネカ(本社・大阪市 社長:菅原公一)はスマートフォンやタブレット型パソコン向けに急速に拡大しているタッチパネル市場に向けてITOフィルム(*)を開発した。2011年度中に16億円を投資し年間80万平方メートルの能力の生産設備を完成させ、2012年4月からの本格販売を目指す。

*:ITOフィルムとはPETフィルムなどのフィルム上にITO(酸化インジウム錫)をコーティングした透明な導電性フィルムのことで携帯電話、スマートフォンなどのタッチパネルに使用されるほか、太陽電池や有機ELのフレキシブル基板として検討されている。

今回開発に成功したのは、スマートフォン等に使用される静電容量式タッチパネル用の、電極パターンの見えないITOフィルム。静電容量式タッチパネルでは画面内にエッチングによりITO電極のパターンを形成するため、パターンが見えない非視認性が必須である。また、タッチパネルの大型化のために抵抗が低いITOフィルムの要求が強い。
当社開発品は150Ω/sq(オーム/スクエア)以下の低抵抗で高い透過率とパターンの非視認性を達成している。タッチパネルの大型化への対応や低温プロセスによって光学フィルムとの複合も可能である。
これは当社の保有する太陽電池の薄膜技術と電子材料分野の光学フィルム技術との総合力から生み出された新技術である。
この強みを生かして、2015年に100億円の販売を目指す。

また、将来は太陽電池や有機ELデバイス(OLED)の技術も組合せ、フレキシブルデバイス基板への応用開発も検討していく。

本商品は11月16日から18日まで東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される展示会・INCHEM東京2011にて出展する予定である。

以 上