照明用LEDの白色リフレクター向け高耐熱性樹脂の販売を開始

―高耐熱性と容易な加工性を有する白色固形樹脂を開発・販売―

株式会社カネカ 広報室
2014/10/22
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)は、耐熱耐光樹脂による照明用発光ダイオード(LED)の反射材(リフレクター)向け白色樹脂を2014年9月より販売を開始しました。この白色樹脂は、従来のリフレクター向けの樹脂と比べ耐熱性に優れ、リフレクターとしての十分な強度を有すると共に、成形加工を容易にする固形の樹脂となります。

リフレクターは、LED素子の背面に設置され、生じる光を前方に反射する反射材の役割を持つ白色の成形部材です。昨今のLED照明器具は、より明るくさせるために青色LEDを高出力化させる傾向があります。それに伴う高い発熱に対して、リフレクター向けの樹脂は従来の熱可塑性のナイロン樹脂から熱硬化性のエポキシ樹脂へ置き換わっているものの、LED照明器具の市場では、さらなる高出力化でエポキシ樹脂を上回る耐熱性が求められてきています。

シリコーン樹脂などはエポキシ樹脂より耐熱性に優れる樹脂ですが、シリコーン樹脂ベースのリフレクター材は強度が不十分であり、さらに成形加工前のシリコーン樹脂が液状であることから、リフレクターの成形加工を行うメーカーでは、既存の固形樹脂向けの成形機が使用できずに、成形・加工性の点で課題がありました。

ILLUMIKA™ Wは、当社の独自技術で合成した新規ケイ素系の熱硬化性樹脂に白色顔料などを配合したもので、150℃の耐熱性を持つためエポキシ樹脂より耐熱性に優れており、かつシリコーン樹脂の強度不足を克服したことに加え、独自の配合技術を駆使してシリコーン樹脂では困難だった固形化(タブレット化)に成功し、既存の成形機を用いた高い成形・加工性を実現しました。

近年、LED照明器具は消費電力が抑えられ、長寿命化と低価格化の進行により、白熱電球や蛍光灯などがLED照明器具に置き換えられ、一般家庭まで広く普及してきました。そこで当社の独自技術で合成した特殊な有機ケイ素系(シリコーン)化合物と各種有機オレフィン化合物を分子レベルでハイブリッド(複合)化した新規ケイ素系の耐熱耐光透明樹脂(商品名:ILLUMIKA™)をベースにして、リフレクター用耐熱耐光白色樹脂(商品名:ILLUMIKA™ W)を新たに開発し、販売を開始しました。

当社は、高精細化が進む液晶ディスプレーのバックライト用LEDの他、さらなる伸びが期待される一般照明用LEDに必要となる高耐熱性を目指して、ILLUMIKA™ Wの採用を加速させ、2016年にはILLUMIKA™ Wを含むILLUMIKA™シリーズ全体で100億円の売上を目指します。

以 上

 

ILLUMIKATM W


リフレクターに加工したILLUMIKATM W