「カネカ ペプチド」でグローバルに肥料事業を展開

―農業用分野向け酸化型グルタチオン技術に関するライセンスを取得―

株式会社カネカ 広報室
2015/02/18
株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)は、岡山大麦ゲノムテクノロジー株式会社(以下、OBGT)(本社:埼玉県、代表取締役:井上 悟)より農業分野向け酸化型グルタチオン(以下、GSSG)に関する特許群などの通常実施権許諾包括契約を締結しました。当社は、この契約によりGSSGを生産し、今春を目標に「カネカ ペプチド」として、業務用に販売を開始します。なおOBGTは、独立行政法人科学技術振興機構(以下、JST)と岡山県が保有する当該特許群の通常実施権を許諾されています。

GSSGを植物に施肥することで、光合成の主要回路であるカルビン回路を活性化させ、二酸化炭素を効率よく固定します。つまりGSSGには光合成を促進したり、光合成によってできた糖類を効率よく蓄積する効果があります。この効果により、農作物の増収や糖度の向上などが期待できます。
当該研究成果は、JSTの戦略的創造研究推進事業(以下、CREST)*1で、岡山県農林水産総合センター生物科学研究所(以下、RIBS)の小川健一グループ長*2らが得て「第2の緑の革命*3」などの評価を受けています。なお、当社はRIBSおよびOBGTと当該分野で2010年より共同研究・開発を実施しています。

GSSGは植物のみならず、あらゆる生物の細胞に含まれており、安全で安心できる物質です。当社は、長年蓄積されたライフサイエンス分野の技術により、GSSGについての高度な製造技術を保有しています。また当社は日本でGSSG肥料として5つの肥料登録を済ませ、さらには、カナダ、米国、中国、インド、タイ、ベトナムなどの農作地で、グローバルに試験的施肥を実施しています。ジャガイモ、キャッサバ、サツマイモ、コーン、タマネギ、ナスなどで10%から40%の顕著な増収効果が確認されており、GSSG肥料の活用は、世界的課題である食料事情の解決策の一つになると考えています。

当社は、2009年に制定した長期ビジョン「KANEKA UNITED宣言」で食料生産支援に関する分野を重点分野の一つと位置付けています。今後、世界の食料事情に役立つために当該領域での研究開発、事業を重視し、今回の特許許諾を契機にカネカ ペプチドの製品名にて、GSSG肥料を大型事業化させるとともに、2020年に売上高100億円以上を目指し、グルーバルに事業開発を加速させていきます。

「カネカ ペプチド」についてはこちら

以 上
*1 戦略的創造研究推進事業:平成14年度(2002年度)採択研究課題「寒冷圏における光ストレスと北方林の再生・維持機構」および平成21年度(2009年度)採択研究課題「CO2固定の新規促進機構を活用したバイオマテリアルの増産技術開発」。
*2 小川健一グループ長:当該研究にて2008年農林水産省 若手農林水産研究者表彰を受賞。
*3 第2の緑の革命:緑の革命は、1940年代から1960年代にかけて、高収量品種の導入や化学肥料の大量投入などにより穀物の生産性が向上し、穀物の大量増産を達成した。しかし、さらなる世界人口の増加に伴い、第2の緑の革命が必要と考えられている。
<岡山大麦ゲノムテクノロジー株式会社>
事業内容: JSTのCRESTの研究成果を基本として、2005年4月1日設立されたJST発の企業。植物生産性(収量増加、品質向上、ストレス耐性など)賦活化技術、有用タンパク・ペプチド(抗体医薬、検査薬など)大量生産技術、高精密度遺伝子地図を利用した新規交雑育種システムの研究開発などの技術を保有する。
設立: 2005年4月1日
所在: 埼玉県坂戸市
資本金: 10百万円
取締役会長: 鈴木 昭憲(東京大学名誉教授)
代表取締役: 井上 悟(元JST/CREST研究領域技術参事)