新たに開発した結核・抗酸菌遺伝子検出キットで判定期間を半減

―極東製薬工業と共同開発、2018年国内販売予定―

株式会社カネカ IR・広報部
2017/09/01

株式会社カネカ(本社:大阪市、社長:角倉 護)は、結核菌を含む抗酸菌*1の遺伝子検出キットを極東製薬工業株式会社(本社:東京都、社長:菊地 博、以下、極東製薬工業)と共同開発しました。極東製薬工業が7月に「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」(通称、PMDA)へ薬事申請済みで、2018年度に国内販売を予定しています。

本製品は当社の多項目の遺伝子を簡便・迅速に検出できる核酸クロマト型チップ*2を使用した検査キットです。液体培地で培養した濃度の薄い菌体から遺伝子を短時間で検出・増幅しクロマトチップで確認できることから、現行の手法*3に比べて半分以下の期間で、簡便かつ迅速な抗酸菌の同定検査が可能となりました。

結核などの感染症の遺伝子検査・診断に関連する市場は、2016年で約3,800億円と推定されており、今回のような遺伝子検出・判定キットの普及などにより、市場は2021年には約6,000億円までに拡大すると予想されています*4。当社は強みである遺伝子検出の簡便・迅速化技術を生かし、今後も診断薬・製薬メーカー、医療関係者と共に、感染症領域をはじめとするさまざまな病原菌検査・判定キットのラインナップを増やし、事業を拡大してまいります。

以 上

*1 グラム陽性桿菌に分類されるマイコバクテリウム属に属する酸性環境においても生息できる細菌群の総称。なかでも結核菌 (Mycobacterium tuberculosis)が有名。
*2 菌やウイルス由来の特有な遺伝子を目視で検出する試験紙。
*3従来法では、結核菌を含む抗酸菌の同定検査は、検体中の菌を4~8週間固形培地で培養する必要があり、判定に約1カ月間を要する。
*4 Infectious Disease Molecular Diagnostics Market (Hepatitis, HIV/CT/NG/HPV and Other Tests): Kalorama information (2017)

核酸クロマト型チップ