基本的な考え方

当社は、『人と、技術の創造的融合により未来を切り拓く価値を共創し、地球環境とゆたかな暮らしに貢献します。』という企業理念のもと、当社が持続的に成長し、当社の中長期的な企業価値を向上させ、株主および投資家のみなさま、お客様、地域社会、取引先、社員などのすべてのステークホルダーと信頼でつながる関係を築きます。企業としての社会的責任を果たすため、最良のコーポレート・ガバナンスを実現します。
当社は、当社の多角的かつグローバルな事業展開と、それを支える研究開発・生産・営業における最適な経営資源配分を持続させるために、コーポレート・ガバナンス機能を働かせることが非常に重要であると考え、それが当社の持続的な成長および中長期的な企業価値の向上に不可欠と考えています。その観点から、意思決定の透明性・公正性を確保するとともに、迅速・果断な意思決定により経営の活力を増大させるためにコーポレート・ガバナンスを充実させます。その取り組みの中で以下の基本的事項はとりわけ重要であると考えています。

  • 株主の権利の尊重と平等性の確保
  • 株主以外のステークホルダーとの協働による価値創造プロセス
  • 会社情報の適時・適切な開示による透明性の確保
  • 独立社外役員の独立性・知見を活かした取締役会の監督機能と戦略的提言機能の強化
  • 経営理念、経営方針の全ステークホルダーへの適切な伝達と理解促進
  • 経営方針への理解に基づく株主との建設的な対話

ガバナンス強化の取り組み

2006年~ 2010年~ 2020年~
経営と執行の分離 2006年 執行役員制度の導入
2006年 取締役の員数変更(21名→13名)
社外取締役 2011年 社外取締役の選任(1名)
2015年 社外取締役の増員(1名→2名)
2020年 社外取締役の増員(2名→4名)
2022年 女性取締役の選任(1名)
2023年 女性取締役の増員(1名→2名)
各種委員会 2015年 指名・報酬諮問委員会の設置
2015年 独立社外役員会議の設置
2021年 指名・報酬諮問委員会において、独立社外取締役を過半数とする
内部統制 2006年 「内部統制システムの基本方針」の制定
コーポレートガバナンス 2015年 「コーポレートガバナンスに関する基本方針」の制定
独立性基準 2013年 「社外役員の独立性に関する基準」の制定
実効性評価 2016年 取締役会の実効性評価を開始

コーポレート・ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンスの体制図

機関設計

当社は、原則として独立社外取締役4名と独立社外監査役2名を設置し、取締役会による業務執行の監督かつ監査役会による監査が十分に機能していることから、会社法上の機関設計として監査役会設置会社を選択しています。

主な項目
機関設計 監査役会設置会社
取締役の任期 1年
執行役員制度の採用
社長の意思決定を補佐する機関 経営審議会
取締役会の任意諮問機関 指名・報酬諮問委員会
その他の重要な機関 独立社外役員会議

取締役・取締役会

取締役会は、当社が持続的に成長し、中長期的な企業価値の向上を実現するために、効率的かつ実効的なコーポレート・ガバナンスを実現します。
取締役会は、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の公正性・透明性を確保するとともに、経営陣の指名、評価およびその報酬の決定、当社が直面する重大なリスクの評価および対応策の策定、ならびに当社の重要な業務執行について、当社のために最善の意思決定を行います。当社グループの経営にかかわる重要事項に関しては、社長他によって構成される経営審議会の審議を経て取締役会において執行を決議しています。取締役会の員数は、13名を上限とし、原則としてそのうち4名は取締役会の監督機能を強化するために独立社外取締役を選任しています。取締役の任期は、経営責任の明確化を図るために1年としています。

取締役会の構成等

(注)上記は、2023年6月29日開催の第99回定時株主終結時のものです。

2022年度の取締役会は、14回開催(取締役および監査役の出席率98.8%)され、取締役会規則に基づき、中期経営計画と年度予算、資金政策、重要人事、四半期・年度末決算および事業戦略投資について審議を行い、決議しました。また、各事業部門における中期経営計画の進捗と課題のモニタリング等について、報告を受け、議論しました。

監査役・監査役会

監査役および監査役会は、取締役の職務の執行を監査することにより、企業の健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質な企業統治体制を確立します。
監査役会は、独立社外監査役2名を含む4名で構成されていて、会計監査人および内部統制部と相互に連携して監査を遂行しています。監査役は、定期的に代表取締役と意見交換する場を持つとともに、取締役会をはじめ、執行としての重要事項の決定を行う経営審議会や部門長会などの重要会議に出席し、適宜業務執行状況の監視を行っています。

指名・報酬諮問委員会/独立社外役員会議

当社は、指名・報酬諮問委員会、独立社外役員会議を設置しています。指名・報酬諮問委員会は、取締役の報酬、取締役および監査役候補者の指名に関して議論し、取締役会に報告しています。また独立社外役員会議は、取締役会の実効性に関して議論し、その結果を取締役会議長に報告しています。なお、指名・報酬諮問委員会につきましては、より中立性を高めるために、独立社外取締役を過半数としています。

業務執行

当社は、執行役員制度を採用し、取締役の監督機能と業務執行機能をハーモナイズさせ、意思決定の迅速化と役割の明確化を行っています。取締役会は、カネカグループ全体の重要な経営戦略の決定と業務執行の監督を担い、執行役員は担当分野における業務執行を担っています。毎月執行役員会を開催し、経営方針や課題を共有し、執行のスピードアップと経営目標の実現を図ります。日常の業務執行については、取締役会が選任した執行役員をはじめとする部門長に広い権限を与え、毎月部門長会を開催し、各部門長から取締役・監査役に対し職務の執行状況を直接報告しています。また、各部門の業務運営については、内部統制部が内部統制評価および内部監査を行っています。

取締役の選任などに関する考え方

当社は、取締役の選任に関しては、人格、見識、能力および経験とともに高い倫理観を有していることを条件として、代表取締役と独立社外取締役から構成されている指名・報酬諮問委員会の議論を踏まえて、取締役会において決定しています。
当社は、多様な事業をグローバルに展開しています。取締役会がこれらの企業活動について的確かつ迅速な意思決定と監督を行うために、多様な知見、経験、専門性などのバックグラウンドの異なる取締役を選任することを重視しています。具体的には、ビジネス、グローバル、テクノロジー、ダイバーシティ、コーポレート&ガバナンスに関する知識・経験・能力などを期待しています。また取締役会全体として知識・経験・能力などのバランスが取れ、かつ適正な人数から構成されていると考えています。
取締役選任にあたり、性別、年齢および国籍による制限はありません。

取締役のスキルマトリックス

氏名 当社における地位 2022年度
取締役会
出席率
知識、経験、専門性
ビジネス グローバル テクノロジー ダイバーシティ コーポレート&ガバナンス
菅原 公一 代表取締役会長 100%
田中 稔 代表取締役社長 100%
藤井 一彦 取締役副社長 100%
亀高 真一郎 取締役副社長 100%
角倉 護 取締役上級執行役員 100%
泥 克信 取締役常務執行役員 100%
榎 潤 取締役常務執行役員 100%
小森 敏生 取締役常務執行役員
毛利 衛 社外取締役 100%
横田 淳 社外取締役 100%
笹川 祐子 社外取締役 100%
三宅 宏実 社外取締役

(注)上記は、2023年6月29日開催の第99回定時株主終結時のものです。また、各取締役の有するすべてのスキルを表すものではありません。

取締役会の実効性と分析・評価

当社は、取締役会議長が、独立社外役員会議からの報告や、社内役員からの意見を定期的に確認して、現在の取締役会のあり方や運営に関する分析・評価を行い、その結果の概要を開示します。
2022年度の取締役会の状況については、取締役会の運営(開催回数や頻度、開催時間、事前に提供される情報の内容、議事の内容、審議など)、社外取締役の役割、社外役員への必要な情報提供、リスクマネジメントなどを中心に、独立社外役員会議において議論を行いました。その結果を踏まえて自己評価を行った結果、取締役会は、リスク管理を考慮した当社グループの重要事項の意思決定と業務執行の監督について有効に機能しており、実効性が確保されていることが確認されました。当社は、今後も取締役会の実効性評価を行うことにより、取締役会の実効性の確保に努めていきます。

社外役員の独立性基準

当社は、独立社外取締役、独立社外監査役となる者の独立性をその実質面において担保するための「社外役員の独立性に関する基準」を定め、株主総会招集通知やコーポレートガバナンス報告書などでその内容を開示しています。

役員の報酬等

取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に関する事項

・当該方針の決定方法

当社は、当該方針を指名・報酬諮問員会における審議を経て、2021年2月9日に開催された取締役会の決議により決定しました。

・基本方針

当社の取締役の報酬等は、株主の中長期的利益に連動するとともに、取締役の当社の企業価値の最大化に向けた意欲をより高めることができる、適切、公正かつバランスの取れたものとしています。
社内取締役については固定報酬等としての月例報酬、業績連動報酬等としての賞与および非金銭報酬等としての株式報酬型ストックオプションで構成し、個人別の報酬等は職責に応じて決めています。社外取締役については、固定報酬等としての月例報酬のみとしています。

取締役および監査役の報酬等の総額等

区分 支給人員 支給総額 報酬等の種類別の総額
基本報酬 業績連動報酬等
(役員賞与)
非金銭報酬等
(株式報酬型ストックオプション)
取締役
(うち社外取締役)
13名
(5名)
686百万円
(68百万円)
530百万円
(68百万円)
110百万円
(-)
45百万円
(-)
監査役
(うち社外監査役)
4名
(2名)
82百万円
(34百万円)
82百万円
(34百万円)

(注)金額は表示単位未満を切り捨てています。
非金銭報酬等(株式報酬型ストックオプション)の金額は、社外取締役を除く取締役8名に対して付与した新株予約権の直近の費用計上額です。

政策保有株式に関する方針

当社は、取引関係の維持・強化、業務提携および資本提携を目的に、必要最小限度の政策保有株式を保有します。
政策保有株式については、保有目的の妥当性、保有に伴うリターンとリスクの経済合理性等を総合的に検証した上で、毎年定期的に保有の可否を見直し、保有の必要性が低いと判断した株式については縮減を実施します。これらの取り組みについては毎年、取締役会に報告するとともに、その概要を開示します。2022年度は、上記の視点で検証した結果、上場株式4銘柄を売却しました。
また、政策保有株式に係る議決権行使については、行使基準を定め、個々の議案ごとに賛否を判断した上で実施します。

政策保有株式の売却状況

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
上場株式会社売却銘柄数 1 4 3 4 12(※)
株式数の減少に係る売却金額の合計額 397百万円 859百万円 36百万円 2,283百万円 2,889百万円

2023年度は第3四半期までの数値

内部統制システムの基本方針およびその運用状況

当社は、取締役会の決議により「内部統制システムの基本方針」を定め、定期的に確認を行い、適宜見直しを行うことにより、内部統制システムの実効性確保に努めています。2022年度は、①コンプライアンス体制・リスク管理体制、②取締役の効率的な職務執行体制、③子会社管理体制および監査役監査体制について、運用状況の確認を行いました。

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