知的財産
基本的な考え方
カネカグループは、R2B+P活動で得られた成果を特許などの知的財産として確実に権利化することにより、社会課題の解決に資するソリューションの早期提供への貢献を目指しています。研究者や技術者は、知的財産をR2B+P活動のアウトプットと認識し、成果に基づく知的財産の取得に努めています。
また、他者の知的財産権を尊重し、係争を未然に防ぐため、テーマ提案、設備投資、事業化や仕様変更、ブランドネーミングなどの事業開発の節目では、必ず特許・商標・意匠の調査を実施し、クリアランス確保に万全を期しています。
さらに、知財戦略と事業戦略を緊密に連動させ、重点技術領域で質の高い発明の創出・特許出願を推進することで、競争優位性を確保し、持続的な事業成長に資する知的財産ポートフォリオを構築しています。
推進体制
知的財産部は社長直轄の組織として、量と質の両面から事業を支えるカネカグループの知的財産の確保と維持管理に努めています。グローバル拠点の統括会社には、知的財産専任者を配置し、現地の課題に直接対応できる体制を整えています。国内外のグループ会社と連携を強化し、知的財産リスクの低減や営業秘密の流出防止等に取り組んでいます。
コーポレートガバナンス・コードに基づき、知的財産に対するガバナンス向上の活動を継続しています。毎月、知的財産担当役員へ定例報告会を実施しています。また知財戦略の強化を図るべく、事業部長や研究所長と知的財産部長との知財戦略に関する会議を部門ごとに毎年開催しています。
今後も、経営戦略に基づく各部門の事業戦略・研究戦略と知財戦略の連動を強化して、事業への貢献を目指します。
知的財産の創造
事業ポートフォリオの強化に向けて、国内特許・外国特許出願を積極的に行い、権利化を図っています。
2024年度は、新たに国内特許393件、外国特許243件が登録となりました。一方、知的財産経費の効率化に取り組み、活用されていない特許を積極的に放棄した結果、2024年度末の特許保有数は、前年度とほぼ同等の国内特許3,421件、外国特許3,268件となりました。
今後は、ポートフォリオの拡大にとどまらず、事業競争力を高める高付加価値な特許の創出・維持に重点を置きながら、知的財産権の量と質の両面を重視した戦略的な知的財産ポートフォリオを構築していきます。
国内特許保有数
外国特許保有数
資源と知的財産活動
人材育成
研究者や技術者は、知的財産をR2B+P活動のアウトプットと位置付け、得られた成果を権利化し、積極的に活用できるよう、知財教育に力を入れています。
知的財産の基礎から、発明発掘や明細書作成などの応用、さらには知財戦略に対応した教育コンテンツの作成、新入社員や若手社員、中堅社員、リーダークラスなど、各階層に応じた研修を提供しています。これらの研修は、グループ会社を含め、技術開発や営業を担当する社員が受講しています。
その他、テーマ創出や市場情報活用などの戦略的な研修、調査研修、権利化ステージ別研修、商標・ブランドや著作権研修など幅広いプログラムを用意し、eラーニングも活用しながら知財教育に取り組んでいます。また外部専門家と連携し、テーマ創出、情報活用、戦略立案に向けた人材育成にも力を入れています。
知財教育プログラムの全体像
事業戦略と知財戦略の連動
連動の取り組み
事業競争力の強化を目的に、情報解析・活用を推進し、知的財産部内に専門グループを設置して、知的財産戦略の実効性を高めています。また、分析業務だけでなく未来のビジネスアイデア創出に向け、情報活用の手法や考え方に関するセミナーやワークショップを開催し、組織全体でイノベーションを促進しています。
知的財産部と各部門は、情報活用の重要性や有用性を共有しながら、研究開発や事業の多様な課題の解決、戦略立案に連携して取り組んでいます。特に、事業戦略と知財戦略を一体化することで、競争環境分析や顧客価値の理解を踏まえた質の高い知的財産の創出を推進し、事業競争力の向上を目指しています。
質に重点をおいた取り組み
知的財産の件数やコスト管理にとどまらず、質を重視した評価を行っています。具体的には、さまざまな特許分析ツールを活用し、自社特許の価値を評価して、現在および将来の事業に必要な技術かどうかを判断しています。この取り組みを推進することで、知的財産権の量と質をモニタリングし、競争力を高めるより質の高い権利網を構築しています。また、特許の権利維持を判断する際には、自社技術や事業への貢献度、維持コストに加え、客観的な特許の質を確認しながら、各特許の価値を総合的に評価しています。当社は、将来の事業成長に資する知的財産を選別し、適切な棚卸しを行うことで、効率的で強固な知的財産ポートフォリオを構築しています。
知財による事業プロテクト
情報漏えいと法令遵守
独自技術やノウハウの漏えいを防ぐため、営業担当者向けに顧客開拓やサンプル提供時の秘密情報の漏えい対策など、知的財産保護に関する教育を実施しています。また、資料作成時の著作権侵害防止など、著作権に関する教育も定期的に実施し、他者の権利尊重と法令遵守の強化に努めています。
ブランド保護
主要製品のブランド展開に向けて、カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet®や頭髪装飾用繊維 KANEKALON®などグローバルに展開している製品は、世界各国で商標を取得し、ブランドを保護しています。世界の商標出願を常にチェックし、他者による同一または類似商標の権利化を防止する取り組みも継続的に行っています。類似商標の出願を検知したときは、各国特許庁へ異議申し立てを行い、他者による類似商標の権利化阻止につなげています。
事業部門に対しては、定期的に商標セミナーを開催し、当社が保有する商標を正しく使用し、ビジネスに活用できるように促進しています。
