保安防災

プロセス事故ゼロを目指して

カネカグループでは、「安全」を経営の最重要課題と位置づけ、「安全に関する基本方針」を策定しています。

経営と現場が一体となって「安全優先」の重要性を共有し、労働災害ゼロ、プロセス事故ゼロを目標に掲げ、「安全文化」と「設備安全」の両輪で、社会から信頼される安全工場を目指して取り組んでいます。

安全文化

  • 安全意識を醸成する:経営からのメッセージの発信、社長による工場巡回、工場長・製造管理者を対象とした安全マネジメント研修の実施、社外有識者指導によるプロセス災害リスクのレビュー
  • 決めたことを守る:基本行動(3S・あいさつ・手すり持ち)の徹底とモニタリング
  • 危機意識を肌身で感じとる:VR機材を活用した体感装置で危険感受性を高める体感学習の推進

設備安全

  • 設備の安全性改善:HAZOP(※1)により抽出されたリスクに対する設備改善(設計見直し)の継続、プラント安全基準の改訂による対象プロセスおよび対象組織を拡充しました。
  • 多重防護による漏えい防止:貯蔵タンクからの漏えいを防止するため、KGSS(※2)プロセス安全実施基準「化学物質の貯蔵及び荷役」を改訂し、全ての化学物質貯蔵施設のリスクアセスメントに着手しました。
  • 加工組立工場の点検:加工組立型工場の設備安全対策を強化するため、挟まれ・巻き込まれリスクの点検を行い、設備改善などさらなる安全対策を進めています。

※1 HAZOP(Hazard and Operability Studies):ハザード操作性解析のことで化学プラントを対象とするリスク評価手法。

※2 KGSS( Kaneka Global Safety Standards):安全・安心な現場とすることを目的に、カネカグループ共通の安全基準です。労働安全、プロセス安全、緊急時対応、それぞれの管理基準の下、実施基準(労働安全17、プロセス安全7、緊急時対応1基準)を制定しています。毎年ギャップアセスメント(基準と実状のギャップ)を行い、基準とのズレを埋めていくことを大きな特徴としています。

有事対応訓練

カネカ全工場では、有事に備え、迅速かつ的確な対応力向上のため、大規模地震、危険物の漏えい火災などの発生を想定した総合防災訓練を、地域行政やコンビナートと合同で毎年実施しています。

緊急対応訓練・避難訓練(2022年度実施訓練例)

訓練名 内容(目的)
シナリオ非開示訓練 訓練異常事象やシナリオをメンバーに事前に開示せず、第三者がアドリブなどを入れ、瞬時の判断やコミュニケーションのあり方を訓練する。
総合防災訓練 工場の被災を想定して、工場全体でかつ行政も参加しての訓練。多くの場合①のシナリオ訓練をする。行政への安全安心の伝達の意味もある。
夜間停電時の訓練 真っ暗な中で最低限のことをする訓練(ヘッドランプなど装着下の訓練)。
毒性ガス漏えい避難訓練 隣接工場含む塩素ガス漏えいを想定した避難訓練。建屋内への避難、防毒マスク着用、ガス濃度測定の訓練など。

総合防災訓練

事業場 実施年月日 参加者数 内容
高砂工業所 2022年12月19日 2,112人 地震発生による危険物の漏えい・火災
大阪工場 2022年11月17日 1,044人 地震による火災
滋賀工場 2022年11月22日 363人 地震による火災
鹿島工場 2022年12月14日 59人 地震発生による危険物の漏えい・火災

大規模地震の対策としては、設備の耐震化を継続して進め、近年発生頻度の多い台風や大雨、洪水に対し、カネカ全工場と国内グループ会社のハザードマップに基づくリスク評価を実施し、優先順位をつけて対策を進めています。
また火災発生時には、ただちに自衛消防活動が行えるよう、災害拡大防止のための初動対応や消火設備の基本操作を日頃の訓練を通じ身に付けています。継続して保安防災力の向上を図るため、地域の消火栓操法競技会にも参加し、毎年上位の成績をおさめ、災害時の活動強化に努めています。

プラント安全確保の取り組み

これまで新任製造部長・課長、専任安全技術者を対象に、集合形式で実施した各種安全マネジメント研修、安全技術研修は、オンライン方式や音声付き資料配布に切り替えし、コロナ禍でも滞りなく研修を実施しました。
設備の安全性については、HAZOPにより評価しています。評価は、社内の認定制度により、評価者として登録された者による実施を義務付けています。また、評価者育成のための社外専門家講師によるHAZOP研修を毎年実施しています。
化学品の混触リスク評価手法や反応での熱暴走評価法の確立を行うなど、継続して安全技術の向上に努め、プラントの安全確保につなげていきます。

CHECK & ACT

プロセス事故発生件数の削減に向けて、リスク評価基準の整備、安全評価者の育成など、リスク評価の徹底および本質安全対策に取り組みます。今後も、全社を挙げて再発防止を徹底し、類似事故の防止に努めます。

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