労働安全衛生

カネカグループでは、「安全」を経営の最重要課題とし、社会的責任を果たすため、安全に安心して業務が遂行できるよう、環境や精神面でも生き生きと充実した状態を構築することが大切であると考えています。

労働災害防止に向けて

カネカグループでは、「ゼロ災行動指針」を定め、社員一人ひとりが定められたルールを確実に守り、安全文化の醸成に向けた行動につなげています。

ゼロ災行動指針

  • 君も私もかけがえのない人
    誰一人ケガ人を出さないようにしよう[ゼロ災への決意]
  • 安全はみんなで築くもの
    一人ひとりが安全を考える時間を持とう[安全への参加]
  • 安全に妙手は無い
    基本に立ち返り地道に努力しよう[安全は基本から]
  • 危険を予知しよう
    潜在的危険を撲滅しよう[安全の先取り]
  • 災害はすき間で起こる
    漏れや、すき間が無いかを常に考えよう[99%は0%]

内部監査として、カネカ全工場と国内外グループ会社を対象にESG安全・品質査察を実施しています。労働安全衛生、保安防災、環境保全、製品・商品・仕掛品の品質保証、化学物質管理、コンプライアンスの観点から、安全管理状況やSafety Committee重点方針に基づく安全活動の実施状況を現場で確認しています。現場で確認した状況のエビデンスから評価し、改善が必要な項目は本社と工場で共有しています。一年を期限とした改善計画を策定し、年間を通じてPDCAを回しています。
2024年度は、カネカ4工場(高砂・大阪・滋賀・鹿島)と国内グループ会社8社、海外グループ会社3社でESG安全・品質査察を実施しました。良好事例を共有し、課題のある事例の是正・改善につなげました。

■ESG安全・品質査察での安全衛生および保安防災に関する確認事項

安全衛生方針の浸透度やプラント安全基準に関する確認

法令の遵守状況(化学物質の管理状況、KGSS※など社内規程含む)

安全活動実行計画と進捗管理

変更管理によるリスク低減策の有効性評価確認状況

協力会社への委託業務の管理

老朽化設備の更新および生産設備への積極的な投資実行状況

労働災害、プロセス事故の水平展開状況

自然災害や有事に対する危機管理文書や体制の点検状況

緊急対応・避難訓練、総合防災訓練の実施状況

KGSS(Kaneka Global Safety Standards)
プロセス事故・労働災害をなくすことを目的に制定した、国内外カネカグループ共通の安全に関するグローバル基準。労働安全、プロセス安全、緊急時対応の分野で実施基準(労働安全17、プロセス安全7、緊急時対応1)を設定。毎年基準と現状のギャップ分析を行い、基準を遵守できる状態まで管理することが大きな特徴。

労働災害の発生状況

2024年の労働災害件数は前年から減少し、カネカグループの災害度数率は0.11(前年比0.31改善)となりましたが、安全意識の徹底不足による労働災害が依然発生しています。カネカグループの災害強度率は、重大災害件数が減少したため0.00ポイントとなりました。
引き続き、ゼロ災行動指針に基づき、危険感受性の向上と設備の安全化を重点に安全活動を推進していきます。また、社員一人ひとりに安全意識を定着させ、労働災害の未然防止を図っていきます。

休業・不休業災害発生件数

(注)災害発生件数には、カネカおよびカネカグループで就業する協力会社を含みます。

災害度数率

度数率:災害発生頻度を表す指標で、延べ労働時間100万時間当たりの死傷者数のこと。

(注)対象範囲:正社員、嘱託社員、外部から派遣された派遣社員が所属する製造事業所が対象です。ただし、外部からの受入出向者、外部への出向者ならびに協力会社の社員は含みません。

災害強度率

強度率:労働日数の損失によって災害の重さの程度を表す指標で、延べ労働時間1,000時間当たりの労働損失日数のこと。労働損失日数は、休業災害における休業日数と同じ日数として算定。

(注)対象範囲:正社員、嘱託社員、外部から派遣された派遣社員が所属する製造事業所が対象です。ただし、外部からの受入出向者、外部への出向者ならびに協力会社の社員は含みません。

労働安全衛生マネジメントシステムの充実

カネカ4工場では、2007年度から中央労働災害防止協会のJISHA方式適格OSHMS認定を取得し、労働安全衛生マネジメントシステムのスパイラルアップを目指した取り組みを継続しています。

OSHMS認定取得状況

事業場名 所在地 認定年月日 認定番号
高砂工業所 兵庫県 2008年3月10日 08-28-13
大阪工場 大阪府 2007年8月21日 07-27-10
滋賀工場 滋賀県 2008年1月15日 08-25-6
鹿島工場 茨城県 2010年12月13日 10-8-26

転倒・転落災害の防止

2020年~2024年までの過去5年間、カネカグループで発生した労働災害で特に多いのは、「転倒・転落」と「挟まれ・巻き込まれ」です。特に国内グループ会社で増加傾向にある「転倒・転落」の災害防止に向けて、安全意識の向上に重点を置き、以下の取り組みを実施しています。

①労働災害・プロセス事故の水平展開を強化

2024年度に発生した労働災害およびプロセス事故について、類似の災害リスクを抽出し、自職場に展開して改善策の推進を実施。

②過去の事例を活用した安全教育

過去の事故・災害事例をもとに、KYT(労働災害防止)、PKY(プロセス事故防止)、ポカヨケ(プロセス事故防止)のコンテンツを提供し、安全意識向上への教育を実施。

③転倒リスクの可視化による安全意識の向上

IT技術を活用して一人ひとりの身体的特徴を測定し、転倒リスクを可視化。
専用のデバイスで計測→結果を分析→理学療法学的知見に基づき、転倒予防トレーニングを実践、数ヶ月後に再度計測しトレーニングの効果を確認(このプログラムは2023年度から提供し継続中)。

※ 「StA2BLE®」は、UNTRACKED株式会社の商標登録です。
(写真提供 UNTRACKED株式会社)

身をもって危険を感じ取る-体感学習-

カネカグループでは、危険に対する感受性を高めるため、体感学習(※)を推進しています。学習機材には、従来型のリアル体感設備に加え、疑似体感できるVR(バーチャルリアリティー)を活用した機材を導入し、安全意識の向上を図っています。2024年度は、延べ2,767名が受講しました。

体感学習
・リアル体感学習:平ベルト、チェーン/ギア巻き込まれ、粉じん爆発など12装置
・VR体感学習:高所からの墜落、階段から転落、床滑り、感電、引火爆発、漏えいなど18のシナリオ

安全研修の実施

カネカグループでは、リスクアセスメント研修、安全技術者研修、体感教育などの安全教育に加え、管理監督者向けのライン長研修など、安全に関する人材育成を継続して取り組んでいます。2024年度は、延べ1,361名が安全に関する研修を受講しました。

化学物質管理(ばく露等による健康障害防止)

化学物質の危険性や有害性等の調査を正しく実施するため、毎年ケミカルリスクアセスメント研修を開催しています。職場における化学物質対策の管理状況を点検し、表示やリスク評価、保護具着用義務対象物質の対応状況などを確認しています。2024年度は46名が受講しました。研修受講者が自職場でのキーマンとなりリスクアセスメントを展開し、結果に基づく低減に取り組んでいます。

協力会社との安全連携

協力会社との懇談会を定期的に開催し、毎年度の安全衛生目標管理計画と進捗状況を共有しています。カネカグループで発生した事故・災害、ヒヤリハット、工程不具合情報の水平展開や体感学習の提供を通じて、事業場全体の安全レベル向上を目指し、協力会社と一体となった活動を推進しています。

研修名 内容 2024年度
受講者数
安全教育 HAZOP研修
  • 講義を聴講し、理解度テストと演習を実施
  • 社内講師によるHAZOP手法の基礎講習と演習・解説
72
専任安全技術者研修
  • 安全衛生に関する当社実態の認識
  • 各種安全技術の講義・課題実践、理解度テスト
12
ヒューマンエラー防止・分析研修
  • 講義を聴講し、理解度テストと演習を実施
  • ヒューマンファクター、ヒューマンエラーの理解
  • 事故・災害分析手法の理解とグループ実践
12
ケミカルリスクアセスメント(CRA)研修(爆発火災防止編)
  • 講義を聴講し、理解度テストと演習を実施
  • 化学物質のリスクアセスメント新指針を反映した危険性に関する手法の解説と演習
  • 爆発火災防止のCRA概論と化学会社における爆発火災の実態
  • CRAに必要な情報収集方法
46
ケミカルリスクアセスメント(CRA)研修(健康障害防止編)
  • 講義を聴講し、理解度テストと演習を実施
  • 化学物質のリスクアセスメント新指針を反映した危険性に関する手法の解説と演習
  • CRAに必要な情報収集方法
46
リスクアセスメント研修
  • 講義を聴講し、理解度テストと演習を実施
  • 自社のリスクアセスメント紹介とグループ討議
  • 写真や動画を用いた潜在リスクの理解
  • 作業リスクアセスメント、プロセスハザード解析に基づいたアセスメントの理解
28
プラント安全技術研修
(アドバンスコース)
  • 安全衛生に関する法規制・法令類、社内の基準・規程類の概説(プラント安全基準、変更管理基準など)
  • 各種安全技術の講義・課題実践と理解度確認
12
安全体感教育
(挟まれ・巻き込まれ防止)
  • 体感型学習設備、動画による「挟まれ・巻き込まれ防止」等の体験
  • 安全知識と所作の講義
  • グループ討議により現場設備との連動
100
安全体感教育
(静電気、爆発・火災)
  • 体感型学習設備、動画による火災爆発静電気等の体験
  • 安全知識と所作の講義
  • グループ討議により現場設備との連動
100
VR安全体感教育
  • VR体感学習設備を用いて「挟まれ・巻き込まれ防止」等を実施し、危険な行動を認識してもらう
  • 安全知識と所作の講義
  • グループ討議により現場設備との連動
900
ライン長研修 新任製造部長・課長安全研修
  • カネカグループの環境安全実態、傾向の理解
  • 法令、規程・基準の再認識
  • 安全・安心の生産センター長の講義、責務の理解と討議
  • 安全マネジメントと行動
17
職長マネジメント研修
<労働安全衛生法研修>
  • 労働安全衛生法第60条に基づく労働安全衛生教育
  • カネカグループの環境安全実態、傾向の理解
  • 法定、規程・基準の再認識
  • 職班長の責務と管理行動の理解
16

安全表彰

日本化学工業協会による無災害確認事業所認定

社名 認定無事故無災害所定期間
(株)カネカサンスパイス滋賀工場 10年以上

カネカグループ無事故無災害表彰基準に基づく社長安全表彰(2024年度)

社名 表彰無事故無災害期間
OLED青森(株) 2010年9月9日~
玉井化成(株) 2012年4月1日~
カネカ関東スチロール(株) 2011年11月26日~
カネカ北海道スチロール(株) 2019年6月11日~
カネカ中部スチロール(株) 2019年8月24日~
カネカメディカルベトナムCo., Ltd. 2008年6月30日~
青島海華繊維有限公司 2019年9月7日~

CHECK & ACTION

2024年の労働災害は9件でした。引き続き、ゼロ災達成に向けて安全基本行動の徹底、ライン管理の強化およびリスクアセスメントの基盤強化を推進していきます。

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